パパがいた「普通の生活」・パパのいない「普通の生活」
おはようございます。
いつもお読みいただきありがとうございます。
小学1年生の息子は、夫が亡くなって以来、一度も涙を流したことがありません。パパがいないことも、死ということの意味も、彼なりにしっかり理解しています。それでも彼は、「パパは体はなくなったけど、いつもいるよ。見えるんだよ。」と屈託なく話します。
そんな息子の言葉を、私はそのまま素直に受け止めてきました。子どもだからこそ見えるもの、感じるものがあるのかもしれません。もしかしたら、霊感が強いのかもしれないなと思うこともあります。
時折、突然大人びたことを言う彼を見ていると、まるで夫が息子を通して私に伝えたいことを話しているのではないかと感じる瞬間があります。その言葉は、驚きと同時に、どこかほっとするような温かさを伴って私の心に届きます。
夫が亡くなってから半年以上が経ったある日のことです。息子が学校帰りにこんなことを言いました。
「今日は虹を見たんだ〜。虹の上にパパがいるのかもしれないよね。パパ、戻ってきたらいいのにね。僕、パパが戻ってきますようにってお願いごとしたんだ。ママもお願いごとしたらいいと思うよ。」
その言葉に、胸がじんわりと温かくなるのを感じました。「そうだね、パパが戻ってきたらママも嬉しいわ。⚪︎⚪︎くんもそう思う?」と尋ねると、彼はこう答えました。
「普通の生活に戻ると思う。」
一瞬、考え込みました。今の生活は普通じゃないって感じているのかなと思い、「今の生活は普通じゃない?」と聞いてみました。すると息子はこう言いました。
「今は3人の普通の生活。4人の普通の生活に戻ったら一番いいなって思うねん。」
息子の中で「今の普通」と「かつての普通」が存在していて、そのどちらも大切にしながら生きているように見えました。
夫が亡くなってから、私も1日たりとも夫のことを思い出さなかった日はありません。ふとした瞬間――家を出るとき、お店にいるとき、料理をしているとき、寝る前――いつも夫のことが頭をよぎります。息子もきっと同じように、ふとした瞬間に「パパ、どこにいるのかな」「戻ってきてくれたらいいのにな」と感じているのでしょう。
息子はその想いを素直にそのまま私に話してくれました。そのことが何よりも嬉しかったです。小さな彼の心の中にパパへの想いがしっかりと息づいていることを感じる瞬間でした。
「パパが戻ってきますように」という息子の願い。それは叶わないけれど、願うこと自体には意味があると思います。叶わない願いを抱えたまま私たちは日々を生きているのです。息子が言った「今は3人の普通の生活」という言葉には、前に進む力強さを感じました。あれだけ心身ともにボロボロだった私が、「3人の普通の生活」を維持できている自信と、それを支えてくれている、見守ってくれている家族や周囲の方々へ、改めて感謝の思いが湧きました。
そして「4人の普通の生活」を再び手にすることはできないけれど、私たちは「4人の普通の生活」を間違いなく過ごしていた。夫が亡くなったからといって、かけがえのない4人の時間は、無くならない、と感じました。
きっと夫も、そんな私たちを見て「いつも見てるよ。」と微笑んでいるでしょう。虹の上で、息子の願いを受け止めながら。これからも私は、息子の感じるままの気持ちや言葉を大切に受け止めていこうと思います。そして、今日も悲しみ、寂しさと共に、幸せに生きるのみです。
息子が私に教えてくれた「虹の上のパパ」の話。その日は、何とも言えない優しさと温かさが心に広がる、特別な日となりました。
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