ステージが上がる 非日常の教育力_vol.1013
1 足りない何か
┌<引用>────────────────
人は時々「非日常」へ行って、自分の中で失われていた何かを取り戻し、
また「日常」へ戻ってがんばろうって思うのでしょう。
谷和樹の教育新宝島 vol.44 / Part1 2024年10月4日発行
編集/発行元:向山洋一教育技術研究所
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この言葉を読んで思い出したのは、「ハレ」と「ケ」の文化。
以前、日本の祭りについて授業した時に学びました。
向山学級の盛大なるパーティも「非日常」
ここまでやっちゃうのと感動するくらいの「非日常」
そんなパーティに憧れて、追試したこともありました。
向山学級のパーティの写真や、パーティのための企画書「原案」、そして学級会をみようみまねで追試しました。
もちろんパーティですから、もちろん楽しかったのですが、「なにか足りない」と感じていました。
2 一生映像が心に残る拍手
谷氏が示した「非日常を体感するパーティが子どもたちを育てる」パーティの条件を読みました。
そして、向山学級のパーティの写真や企画書をじっくり見ました。
自分の「 なにか足りない」何かを探しました。
向山学級の児童の企画「原案」
8班のプログラムは以下でした。
1 始めのことば
2 4年生になって初めてさか上がりができた人から1言
3 芸(やりたい人だけ)
4 さし入れ始め
5 ごちそうを食べる
6 お手をはいしゃく
7 休けい、自由時間
8 合そう
9 ゲーム
10 校庭に出て 全員さか上がり
11 みんなではく手
12 教室にもどってジュースでかんぱい
13 おわりのことば
14 向山先生からパーティの感想を一言
私が注目したのは「11 みんなではく手」です。
全員が逆上がりを達成したことを、みんなで拍手をして喜ぶ。
拍手は拍手でも、心に響き渡る拍手が想像されます。
拍手は拍手でも、一生その時の映像が心に残るような拍手が想像されました。
3 とびきりのパーティの教育力
プログラム1から14も、そうしたとびきりの時間の1コマです。
そして、原案を検討する時間も、とびきりの時間の1コマです。
┌<引用>────────────────
ここで、注目すべきことが見られた。横田さんが、石川さん、座間さんに「次は2班を消そう」と相談しているのである。つまり「6班・8班連合」の結成をよびかけているのである。
これは、他のはんの動きも同様であって、ここまできて、やっと、「班ごとにまとまって動く」傾向が出てきたのである。
谷和樹の教育新宝島 vol.44 / Part1 2024年10月4日発行
編集/発行元:向山洋一教育技術研究所
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「班ごとにまとまって動く」は、クラスがまとまって動くことにつながります。
「非日常」を体験するとびきりのパーティだからこそ、子ども達は、日常では乗り越えらない壁を乗り越えることができるのです。
「友達と協力するのが大事」とか
「みんなで気持ちを1つにしなくちゃダメ」とか
そんな指導を何百回と繰り返しても、
「我」をおさえて「和」を作ることは難しいでしょう。
でも、とびきりのパーティならばできるのです。
とびきりのパーティだからこそ、いつもならしないチャレンジをする子も出てきます。
そのことを、私は理解していなかったのです。
子ども達は、「非日常」であるとびきりのパーティで
自分の中に足りなかった何かを学び、
とびきりのパーティを実現させるために「我」を乗り越え、
そして、「日常」へ戻り
ステージを上げてがんばることができる。
教育新宝島の学びが大きいです。