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6フィート間隔、入店人数制限...ニューヨークの「ソーシャル・ディスタンス」戦略

新型コロナウイルスの影響で外出制限が続くニューヨーク。日本では「密集」「密閉」「密接」の3つの「密」を避ける行動が求められていますが、アメリカでも「ソーシャル・ディスタンス」(社会的距離)を保つことでさらなる感染拡大を防ぐ戦略が取られており、ニューヨーカーも積極的に実践しています。実際に街の人々がどんな風に生活しているのか、写真付きで紹介します。

ニューヨーク州が感染の中心地に

アメリカの状況は深刻です。4月1日現在で、死者は5千人に迫る勢い、感染者数は21万人超です。

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出典:The New York Times記事よりスクリーンショット

そのうち、ニューヨーク州の死者数は2千人近く、感染者数は約8万4千人。州内でも人口の多いニューヨーク市が約半数を占めており、アメリカ国内で感染の中心地になっていることがわかります。

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出典:The New York Times記事よりスクリーンショット

この数字は日々変化していますが、The New York Timesがコロナウイルス 関連の記事はすべて無料で公開しており、毎日アップデートを確認しています。

間隔は「6フィート」

米DCD(疾病管理予防センター)は、具体的な対策として「人と自分の間に6フィート(約180センチ)の距離を保つ」ことを呼びかけています。外出は基本的にスーパーや薬局に行くくらいですが、お店や路上でもこの「ソーシャル・ディスタンス」が徹底されつつあります。

例えば、この写真は私がよく買い物に行く食料品店「Whole Foods」の様子。お店の入り口には柵が設けられていて、買い物客は距離をとって並ぶよう指示されます。また、朝の時間帯は高齢者が優先的に入店できるようにしているスーパーなどもあります。

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下の写真2枚は、市内に多数ある薬局「CVS」での様子。同じく間隔を開けて並び、入店を待っています。

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レストランやバーも閉鎖されていますが、テイクアウトは可能です。ブルックリン地区にあるカフェでは、床にガムテープを貼って、お客さんが間隔を空けて並べるように工夫しています(私はマンハッタンに住んでいるのですが、友人が写真を撮って送ってくれました)。

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入店制限

一度に入店できる人数も制限されています。厳密な決まりはありませんが、お店の規模によっては、3人〜5人ほどしか同時に入れません。

"Three Customers Allowed at Each Time!!"(一度に入店できるのは3人まで!!)と書かれたコーナーショップの張り紙。

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こちらのお店は、"Please order from the window..."(窓越しに注文してください)との張り紙があり、従業員とお客さんがじかに接触しなくてよいよう工夫しています。

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酒屋なども業務を続けていますが、オンラインで注文し、窓越しに商品を受け取るシステムです。特に張り紙などがない店舗でも、「あ、今は中に人が4人もいるから入らないでおこう」と自主的に外で待つ人の光景もよく目にします。

また、スマホのアプリを通じて食事の宅配注文ができる「Uber Eats」などのデリバリーサービスも、"Leave at door"という、玄関に商品を置いていってもらうことができるオプションがあります。アプリ内には「配達員と会う前や、受け取った後には手を洗ってください」と推奨する但し書きも。

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地下鉄は、医療従事者などが通勤できるよう動いていますが、窓口業務は閉鎖され、チケットは自動販売機での購入のみです。「皆さんの安全のため、窓口でのメトロカードの購入は停止しています」との張り紙が。できるだけ直接的に人と接触しないためです。

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ニューヨーカーにもマスクが定着

アメリカでは、日本のように普段からマスクを付ける習慣はありません。新型コロナウイルスの感染拡大が問題になる前は、マスクを身につけている人を目にしたことはほぼありませんでした。今では、多くの人がマスクをしています。CDCも、感染対策として国民のマスク着用を公に推奨しはじめました。

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日本と同じく、薬局のマスクや消毒液は慢性的な不足状態。私が住んでいるマンハッタン・ハーレム地区の路上では、個人がマスクを販売している光景も。

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ニューヨーク市内では引き続き感染拡大に対する警戒が続いていますが、外を散歩することはできますし、公園なども人が集まりすぎない限りは空いています(子供用のプレイグラウンドは、密集が問題となり閉鎖されました)。街を歩けば気軽に挨拶したり、気をつけてね!と声を掛けてくれる人もいて、おそらく日本で報道されているほど悲惨な雰囲気ではありません。

アメリカは個人主義的な価値観が強く、特にニューヨークのような大都市では、外出を強制的に禁止することへの反発や懸念もあります。強制ではない以上、一人一人が意識的にソーシャル・ディスタンスに取り組むことが重要になってくると思いますが、肌感覚としてはここ1〜2週間ほどで、街の人の意識もかなり変わってきているのかな、と思います。ただ、地域によっては、路上で集まって話している人がいたり、隣人が明らかに夜遅くまでパーティーをしていたりすることもあります...。

今後、日本でも感染拡大が懸念されていますが、すでに感染が爆発的に増えているニューヨークでの対策の様子が、少しでも参考になれば幸いです。


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