ワンピース個人的感動・名シーン3選
1位:ガープに殴りかかるダダン
ワンピース第590話より。ちなみにルフィの「仲間がいる”よ!!!」も590話である。
マリンフォード頂上戦争にてエースが死亡した後、ガープがゴア王国フーシャ村に帰郷した際の出来事である。ダダンは、ガープを見るや否や殴りかかり、
「てめェあの戦争の現場にいて!!!・・・・・!!! あいつらの目の前にいて・・・!!!・・・・・!!!なぜエースを見殺しにした・・・・・!!!」
などと発言している。彼女はこの時大粒の涙を流していた。そしてガープは殴られているにも関わらず、無抵抗だった。
もともと海軍のガープと山賊のダダンでは圧倒的にガープの方が立場が上。ガープに半ば無理やり押し付けられ幼少期のエース、ルフィらを育てていた。この圧倒的な上下関係があったからこそ、このシーンは感動的なのである。
ガープのことを恐れていたにも関わらず、エースの死を受け、自分を捕まえることのできる立場のガープに殴りかかり、溢れる思いをぶつけるダダン。今までダダンをいいように使っていたにも関わらず、海軍中将としての使命と家族への思いの間で揺れ動き、エースを死なせてしまったことを後悔し、ダダンに殴られることを受け入れているガープ。この二人の、立場とは真逆の行動、そしてそこに秘められたエースへの強い愛、後悔、自責などの様々な思いを感じざるを得ない感動シーンである。
2位:セニョール・ピンクの回想
セニョール・ピンクはドフラミンゴ率いるドンキホーテ海賊団の一員で、スイスイの実を食べ、地中を泳ぐことのできる能力者である。赤ちゃんのような服装をしており、頭には赤ちゃん用のボンネットをしており、おしゃぶりを加えている一見ゲテモノキャラ。しかしその外見には深いわけがある。
かつてルシアンという女性と結婚し、ギムレットという子供を授かっていた。しかし、セニョールが海賊仕事で家をあけた際に、ギムレットが高熱を出し、他界してしまう。その時に、海賊嫌いの妻ルシアンに「銀行で働いている」嘘をついていたのがバレてしまう。怒り、家を飛び出したルシアンは、不幸なことに土砂災害になり、命は取り留めるも、植物状態になる。激しく後悔したセニョールは、なんとかルシアンの笑顔をもう一度見たいと思うが、ルシアンが笑顔を見せることはない。しかしある日、ふざけてギムレットの格好を真似した際、奇跡的にルシアンが微笑む。それから、周囲にバカにされながらも赤ちゃんの格好を貫き通すようになったセニョール。彼はこう言う。
「(この服は)おれにとっては・・・・・どんな高価なスーツより値打ちがあるんだよ、ルシアン。 この服を着ている間だけ・・・キミが微笑んでくれるから・・・・・!!」
3位:頂上戦争にて、白ひげがエースを庇う言葉
頂上戦争は名言・感動シーンだらけなのだが、あまりフォーカスが当たっていない、個人的学ぶことの多かった名シーンがある。
白ひげ海賊団がマリンフォードの湾内に浮上し、戦いの火蓋が切って落とされる直前、エースはこう発言する。
「何で見捨ててくれなかったんだよォ!!! おれの身勝手でこうなっちまったのに・・・・・!!!」
それに対して、
白ひげ「いや・・・おれは行けと言ったハズだぜ息子よ おれは行けと言った、そうだろマルコ」
マルコ「ああおれも聞いてたよい!!とんだ苦労かけちまったなァ、エース!!」
これはもちろん、大嘘である。仲間を殺した黒ひげを追いかけようとするエースを、白ひげは嫌な予感を感じ、止めようとした。しかしエースは突っ走って黒ひげを追いかけて闘いに破れ海軍に捕まった。普通に考えればエースが悪いで済む話なのであるが、白ひげはあくまでもこれは自分に責任があると主張し、エースを助けようとする。
私は、これを理想の上司像だと感じた。現実社会では、こんなことができる上司・先輩はほとんど存在しない。自分の立場、昇進を大事にし、自分の身を守る。中には自分のミスを部下に押し付けようとする者までもいる。しかし、自分の立場や待遇が悪くなる可能性があっても、部下が実際は悪いとしても、下のものをかばい、自分が矢面に立つことのできる上司はとても格好良く、尊敬できる。私もこのような人間になりたいと強く感じた。