世の中にはフレアスカートをはいて仕事している人がいるんだなって
新卒で入った会社ではたまにタイトスカートははいたことがあるが、そも服装は自由だったため、だんだんとジーパンなど楽な方へ流れていった女子力の低い私。
結婚してからは、コンビニでのアルバイトばかりやっていたため、スカート自体もろくにはかなくなった。
コンビニで働くには、長ズボンにスニーカーが当たり前。
それで何も、不満はなかった。
しかし常連のお客さんが、たまにフレアスカートをはいて来店することがあった。
優雅に揺れるスカートのすそ。
女性らしいシルエットを見て、
「フレアスカートをはいて仕事ができるなんてねえ~」
とは思ったものの、やはりそれ以上のことは特に感じなかった。
しかしコンビニを辞め、求職中にハローワークのおねいさんがフレアスカートをはいているのを見たときは、
「私はフレアスカートをはいてできる仕事になんて就けないだろうな…」
という、暗い思いにとらわれた。
これはあくまでも私の勝手なひがみ、そねみであり、
「フレアスカートなんて、はいてんじゃねえよ」
と言いたいわけではない(笑)
でも、着飾ることが仕事の職業はともかく、
「フレアスカートをはいてできる仕事」
は、結構限られていると思う。
少なくとも、何かが飛んできて服が汚れる仕事ではない。
すそが引っかかって困るような、取っ散らかった職場でもなかろう。
雨に打たれ、汗を流し、寒さに凍える場所での仕事でもなさそうだ。
『進撃の巨人』の中では女子たちがロングスカートでアクションしていたが、ハードなアクションが必要とされる仕事でもないだろう。
制服でもフレアスカートを採用している仕事って、あまりないんじゃないかい?
フレアスカートの見た目通り、醸し出す雰囲気が違和感のない場所。
ヒラリとひるがえる、おねいさんのフレアスカートを眺めながら、こう思った。
世の中には、フレアスカートをはいてできる仕事をする人と、
フレアスカートをはいてできるような仕事じゃない仕事をする人がいる。
本当にバカバカしい、アホみたいな二元論だというのは自分でもわかってる。
でも、タイトスカートじゃない。
巻きスカートでも、ギャザースカートでも、プリーツでもキュロットでもジャンパーでもないんだ。
フレアスカート。
優美にひるがえるあのスカートを、仕事着に選ぶことができる…
私のいた世界とはあまりにも違う。
ただ、そう思ったんだ。