家電販売員の掃除機選び方2024秋

某超大型家電量販店でDysonの販売員している私が掃除機を買うなら何を選ぶかを2024年店頭価格をベースに予算ごとに記録する。
筆者は来年度新生活を始めるため、そのために下調べをしている。
Dysonの販売員だが、贔屓はせず、売り場で触ってみた主観に基づき判断していく。

全体的な印象

  • 掃除機分野では、ゴミを集める力の面で中華メーカはまだまだといった印象(準大手や新興メーカも同様)

  • 流行りのドック式

    • 紙パックタイプ(Panasonic,SHARP,東芝)

      • 性能の割にお高めな印象

      • 価格が5万円を切るものはヘッドに難があり(絡まったり、ブラシが無いタイプだったり)

    • 紙パックでないやつ

      • ドックにゴミを収集するときの排気が汚いように感じる。ゴミの臭いが広がる

      • ドック側フィルターのメンテナンス性が悪い

      • スティック側の掃除中の音がうるさい。

  • 日立Dysonは別格。圧倒的性能。性能もパワフルだが、値段もパワフル。5万円以上無いと厳しいだろう。

予算 ~2万 : キャニスター

キャニスター(引きずるタイプ)を選ぶ。
スティックに憧れていても選ぶべきではない。むしろ、選んではならない。
スティックは現状の技術では,バッテリー式のためパワーが弱い。そのためにヘッドのギミックで補っている。モーターでブラシを回したり、ミストを出したり。2万以内で購入できるモデルのほとんどは、ヘッドにただの穴が空いている弱いモータのパワーで吸い上げるだけである。
キャニスターは吸込仕事率を公開しているものが多いため、吸込仕事率の大きなモデルを選ぼう。

予算 2~4万円 : Panasonic

Dysonはこの予算では基本的に手に入らない。
Dysonの型落ち品であれば手に入る場合もあるが、
現在型落ちで手に入る店舗があるv10(sv12)と呼ばれるシリーズは、欠点がある。
- シンプルに激重
- ヘッドの曲がる機構がホースに食い込むようになっており、ホースが裂けやすい(現行機種は改良済み)

いちおう、AmazonならキャニスターDysonも手に入る

吸引力で選ぶならDysonも悪くは無い選択かもしれない。

ただ、スティックでというならPanasonicを推したい。なんて言ったってデザインが可愛い。マットな仕上がりのプラスティックで、スプラトゥーン3のサイドオーダー武器のような仕上がりである。ピスタチオ色のラインナップは他メーカには無い。コスパが良く人気機種である。

この機種のポイントは、とにかく可愛いことと、同価格帯の中で性能が良いことである。ヘッドは外すことができるのもポイント。

ヘッド部分が「からまないブラシ」になったバージョン(下のモデル)もあるが、「からまないブラシ」はヘッドを外すことができないため、上のモデルで良いだろう。

数は少ないが、数件取っ手部分が折れて交換対応となったケースがある。取っ手に負荷をかけすぎるのは避けたほうが良さそうである。

予算 4~5万円 : 中途半端が一番良くない予算を1万円増やすか減らすかしよう

5万円を超えると日立、Dysonが見えてくる。
しいていうならば、かなり重たいがPanasonicのパワースタミナモデルがおすすめ。

予算 5万円~6.5万円

この価格を出すならDysonか日立しか無いだろう。
選び放題である。性能を重視することは前提として、以下のように私は選ぶ。
この価格帯になると、充電スタンドと光るヘッドは標準装備である。
Dysonと日立のメーカで軍配が上がる点として以下がある点を前提として、足し算引き算で考えていく。

正直、このあたりは掃除機の使い方や、何を求めるかによって大きく選択が変わってくるため、売り場で試してから購入いただきたい。

Dyson
- 弱モードでのゴミ取り力
- インテリアにもなるオシャンティーなデザイン
- 付属品の高性能ハンディーツール(毛絡み防止スクリューツール)
- 光るヘッド前方のゴミの見えやすさ
日立
- 軽さ
- 自走式
- 紙パック式も選べる(今回のおすすめからは除外)
- ヘッドの可動範囲
- 片手で電源オンオフから掃除機かけまで(Dysonは電源オンオフには両手が必要)

軽さ + オートモード - デザイン : 日立 PV-BL50L

1.4kg
運転持続時間 最長40分
非常に取り回しがしやすく、扱いやすい。

+軽さ + デザイン - 持続時間 : Dyson micro plus sv33ff pl

1.52kg
運転持続時間 最長25分
店頭ではほぼ同価格であるPV-BL50Lと比較したときに、運転時間は15分短いが、自立充電スタンド(Floor Doc)と本体のカッコよさマシマシになる。
ハンディ用途も考えるなら日立よりこちらに軍配が上がる。

ん?自社贔屓してる気が。。。
まぁ、ハンディ性能はともかく見た目は好みですね。

+性能 + 性能 + 性能 + オートモード - スタンドの自立部分 - 軽さ

2.2kg
運転持続時間 最長60分

Dysonで最も高性能、すなわち日本国内で一般に売られている掃除機で最高性能といっても過言では無いだろう。
SV46ABLやSV46SUという10万円オーバー商品と同スペックである。本体色と付属品の差異である。
持ったときに、重いと感じないのであれば、これを選んでおけば間違いない。
欠点として充電スタンドが付属しないことがある。
別途ニトリなどでスタンド(5000円くらい)を買っていただく必要がある。
ただし、収納用ブラケットは付属するため、壁に穴を開けても良い方、自作DIYスタンドを作りたい方はその限りではない。

(Dyson公式で純正スタンドを取り扱っているため、運が良ければ入手できるが、在庫が無いと逃げられるケースがほとんど)

どうしても純正スタンドがほしい場合は+5万円でSV46ABLやSV46SUをお買い求めいただきたく。

予算 気にしない

経験上6.5万円以上の予算がある方は、あまり製品の価格を見ておらず、性能に納得してお買い上げいただくケースが多い。
軽さなら日立、性能(ハンディ含む)ならDysonを選んでおけば間違いない。
充電スタンドはついてるし、ヘッドは光る。オートモードは付いてる。

+光照射角度が広い+ARおそうじ

光の照射範囲がほぼ180° ぐるっと照らしてくれる。光量も十分。
ゴミタンクもかなり大きい。

運転持続時間が40分と、やや短いのが玉に瑕。
ヘッド形状も少し残念。今流行りのモコモコブラシではない。(モコモコブラシはカーペットはかけられないため、そこを配慮した対応か)

スマホを掃除機にセットでき、アプリで部屋のどこを掃除していないかを確認しながら掃除できる(この機能を使うかは別にして  かなり開発費かかってそう)

+ 性能 + (カーペットキレイ度MAX or 水拭きジュワーん)

運転時間 最長60分と長く、Dyson最高性能のSV46シリーズ。
カーペットの髪の毛を取ってくれるヘッドがついたAbsoluteと、
フローリング水拭きヘッドがついたSubmarineの2機種。

水拭きは、面白い製品ではあるが、現状拭き掃除をしていない場合は不要だろう。買ったけど使っていないケースをちらほら聞く。水拭きヘッド使用時に、かなり本体に重量感を感じるのも注意点である。量販店で試してからSubmarineは購入すべきである。

そのうえで、どちらか迷った場合はSubmarineを選んでおくのがおすすめ。
水拭きヘッドは、Absoluteには後付できない。Submarine機種以外では動作しないように組み込まれているのである。カーペット用ヘッド(2万円くらい)はDyson公式から入手できる。


本当は、このメーカや商品はどうして選ばれなかったのかも書きたいが、
悪口のようになってしまうため、ここでは遠慮させていただく。

色々書いたが、結局のところ、皆さんは家電量販店で我々販売員に捕まり、捕まった販売員のメーカの製品を買ってしまうのである。それでは、楽しい家電ライフを!

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