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ワンルームディスコで泣いた日


私の上京は「意図せず」突然始まった。

もともと電車に乗ったら、東京に通える範囲に
住んでいたので、朝早くから自転車に乗り
駅から約1時間半の通学

という通学スタイルで行こうと
始まった大学生生活

「家から通える大学にしなさい」
あまり口うるさく言わない
母からの条件だったので
そう言われたらと思い探した進学先

大学受験では第一志望には行けず
滑り止めの大学に通うことになった。

大学生活は長い通学時間が
少ししんどいだけだった。

でも最初に出来た友人達が本当に無理だった。
エピソードを思い出してもひどいものばかり。
どんどん心は疲弊していって
入学して約1か月もたたない頃に
「退学」を考えるくらいまで
実は追い詰められていた。

私が使う電車はとにかく遅延が多い
学校の1時限目に間に合わないことが
少なからずあった。

追い詰められていたせいか
そのころの私は元気がとにかく無かった

あるとき急に母が

「パパとも言ってたんだけど
一人暮らし初めたらどうかな?
折角東京の大学に通ってるんだから
電車も遅延多いしさあ、、
向こうに住んで色々経験できるよ?」

と急に提案してきた。
今考えたら、まだまだお金のかかる妹が
いるのによく提案してくれたものだと思う。
本当にすごいこと。
大人になってから思うが
奨学金を借りていたとはいえ
感謝してもしきれない。

もしかしたら環境を変えれば
私が元気になって大学生活を
楽しめるとか色々考えてくれたのかもしれない。

ここはあまり聞いたことがないのでどんな心境なのかは不明

でもその時の私の気持ちは

「今言うんなら、なんで最初から一人暮らしさせてくれなかったの?こんな大学選ばなくてよかったじゃん」

と思ってしまったわけで…
親に退学したいと伝えることも出来ず
あれよあれよと部屋が決まり
引っ越ししていた。

大学から徒歩10分ほどの小さなアパート。

確か5月中旬に引っ越しして
両親の仕送りだけなので
バイトを早急に決めなければいけない。

急に始まった一人暮らし。
しんどい人間関係・お金がない・さみしい
この3つが揃った私は
メンタル崩壊寸前だった。

そんな時にふと友人のブログを見た

今日は買い物して
みんなとランチ~💕
気になるワンピも買えたし、
今月使い過ぎかも笑
プリクラも撮ってスポッチャで
遊んで最高の1日だった~✨

的なことが書いてあった。

私は節水して貯めた水で食器を洗って
生焼けの糞みたいな手作り弁当を
死んだようにみんなと食堂で
嫌々食べてさあ。いそいそと帰り
一人で家にいるのになんでなの?
世の中ってこんな理不尽なのか?

気分を上げるために聞いていた
perfumeのワンルームディスコで
心がぽきっと折れる音がした。
こんな浮かれた曲歌うんじゃねえ!

気付いたら声を上げて泣いていた。
そしてこうも思った。
こんな惨めな思い二度としたくない

私はそれから秒速でバイトを決め
両親が私の為に学費を払って、
仕送りをしてくれているんだから
足りないところ自分でなんとかした。
しばらくしたら洋服を買ったり、
出かけたり、遊びに時間も費やして
はたから見たら友人のブログに
載っているような華の大学生になれた。

人間関係も改善したというよりは、
黙ってそのグループから抜けた。
ボスから嫌味言われたけど
無視したら大丈夫になった。
気付いたらそのグループの中で
1番仲良くしていた1人は退学していた。
悪縁を切ったら大切な友人に出会い、
大学を無事に卒業した。

家事もうまく出来るようになった。
特に洗濯が好き。雑誌で見て買った
お気に入りの洋服をエマールで洗い
丁寧に管理した。
料理もそれなりに出来るようになった。

最初のくすぶり感は吹き飛ばすように
大学生活をエンジョイしたと自負している。

だから私が悩んでいたことを知らない人は
このエピソードを信じないと思う。

田舎に住んでいた女の子は
東京という大都会で
たくましく、
そして楽しく生きました。

東京って本当に色んな人がいるし
沢山の出会いがある。
学び成長できる。

大学卒業も迫ったころお気に入りに
なったベランダでタバコをくゆらせながら
ふとワンルームディスコの歌詞を思い出した。

私新しい場所で上手くやっていけているよ。

泣いていたあの頃の私に言いたい。
そんなこと思っていたら、
いろいろな感情が渦巻いて泣いた。






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