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安いオンナ
朝から衝撃を受けた。
この記事を読んで、言語化できなかったモヤモヤがすっと晴れた気がした。
そっかー、私めちゃくちゃ安いオンナだな。だから毎日幸せなのか。
空が青い。雲が綺麗。ご飯がおいしい。お布団最高。
あーしあわせ♡
だいたい毎日、この繰り返しである。コスパ最高だ。
旅から帰って画像フォルダを開いたら、呆れるほど空の写真ばかりだった。
空は見上げるたびに顔を変えるから、撮っても撮っても飽きることがない。
船で島に渡って人の少ない美しいビーチで泳いだし、ラグーンとやらがついてる高級なホテルにも泊まったし、味わったことのないような素晴らしい島料理も堪能した。十分贅沢させてもらって素敵な体験ができたけど、ここへ来て何が一番良かった?と聞かれたら、やっぱり刻々と表情を変える空をたくさんたくさん見られたことかな、と答えると思う。
この旅の間じゅう、どこに行っても「ねー、空みて!すごい綺麗!!」としか言ってなかったような気がする。
家族はそんな私をサラッとスルーして、それぞれの好奇心を満たすことに夢中で、いびつだけれど不思議とバランスの取れた、私たちらしい距離感じゃないか、と思った。
都会ではのぞめない満点の星空を見るために岬のはしまでみんなで遠出したり、早朝からひとりで朝日に照らされる山際の雲を眺めたり、ビーチでも泳がず空模様ばかり追いかけていた。
移動の道すがら、車の窓から、ホテルのバルコニーから、すべてを包み込むような広い広い空を、何度も見上げて心のフォルダが満たされるまでシャッターを切り続けた。
空はいい。いつでもそこにあって、見上げるだけでこんなに満たされて、ひとを幸せな気持ちにしてくれる。しかもどれだけ眺めたってタダなのだ。
こんなに豊かなものが他にあるだろうか。
自然のめぐみ、と良く言うが、空を眺めていたら、私たちは本当に恵まれてここにいるんだなということが実感できた。
毎日の暮らしのなかで、人間はついそのことを忘れて贅沢を求めたり、ちょっとした不満を抱えたりしがちだけれど、今日も陽がのぼって私たちを照らしてくれて、ここにいられる、それだけで十分なんだということを思い出した。
これからも、私はずっと安いオンナでありつづけたい。
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