許された傷痕と、恋の欠片のようなもの。
醜いものを見ると、人は極端に寄りたがる。
それが”正しい”か、”正しくない”か。その両極しか許されないことが、どうしようもなく苦しかった。どちらでもあり、どちらでもない。私にとってそれはそういう曖昧な境界線上にあるもので、でもそれを口にすることは許されないような気がしていた。
目に見えない傷口のほうが圧倒的に深度は深いのに、どうして人はいつだって目に見えるものだけに意識を向けてしまうのだろう。
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東北で生まれ育った私の肌は、皮膚が薄くてわりと白い。若い頃は今よりもさ