鍋シーズン到来
10月はあんなに暑くて「いつになったら秋は来るねん」とか思っていたのに、最近はもう冬と呼んでもおかしくないくらいに寒い。大学で暇な時にやっているキャッチボールも手先が冷たすぎてだんだん厳しくなってきた。さっきもケーキ屋での最後の給料をもらうために一瞬だけ外に出たが、ぬくぬくの部屋にいたせいで舐めた格好のまま出てきてしまい後悔した。
事前に連絡していたので、ケーキ屋に着くとすぐにシェフの奥さんが給料と源泉徴収票を持ってきてくれた。代わりに僕からは、借りていた制服たちを詰め込んだ袋を渡した。どうやらシェフは今日不在らしい。軽く思い出話をしたり近況を聞かれたりしたが、話が落ち着いたらわりとすぐにお別れをした。留学中を除いても3年近くお世話になったので行く前は少しそわそわしていたのだが、自分でもびっくりするくらいにお互いあっさりしていた。じゃあいったいどんな別れ方を期待していたんだと聞かれても困るのだが、今はなんだかポカーンとしている。過ごした期間が長かろうが短かろうが、関係性の最後というのはこんなものなのかもしれない。たくさんの廃棄ケーキを食べさせてくれてありがとうございました。
本当はこんな悠長にnoteを書いている場合ではない。今日締め切りの編集はまだ半分くらい残っているし卒論ももうちょっと進めておきたい。最近ランニングをさぼっていたのでさすがに今日は走っておきたいし、可能ならば絵も描きたい。
そう、最近は無性に絵が描きたくなっている。もともと「絵が上手くなりたい」という漠然とした気持ちは持ち続けてきた。小学生の頃から授業用ノートや配布されたプリントの隙間に先生の顔や自分の手をスケッチしていたし、自宅に置いてあるスケッチブックへ衝動的に絵を描いたりもした。ただどちらも頻繁にというほどではない。
人の顔を描こうとするとなぜか毎回濃くなってしまうので嫌になる。ならば風景画を描こうと意気込むも遠近感が難しすぎて途中で飽きてしまう。そうやって結局消しゴムやスニーカーといった身近な静物画に落ち着くのだが、自分が本当に描きたいのは目の前でまさに動いている人や風景を一瞬で切り取る絵なのでもやもやする、というループを年単位で繰り返してきた。
つまるところ、大した努力もせずに手っ取り早く絵が上手くなりたいだけなんだなあと気付いた。もし本当に本気なら少なくとも参考書くらい買うなり借りるなりして基礎を学ぼうとするはずだし、「静物画スケッチは絵の上達に不可欠だ」みたいな情報もたくさん目にしてきた。でも基礎練は飽きてしまう。そのくせに、Twitterで流れてくる絵師やイラストレーターの絵を見て憧れることだけはいつまでもやめられない。ああいう人たちは時間をかけた末に今があるのに、気を抜くとそれをすっ飛ばして羨ましがってしまう。わがままだなあと思うし普通に自己嫌悪もある。
なのにまた、絵が描きたくなってきた。きっかけはTwitterでフォローしているイラストレーターのINEさんの投稿が流れてきたからだ。ベースや他の趣味にはここまで執着しないので、もしかすると自分の中で絵は特別なのかもしれない。なのでいつもの事ではあるのだが、またしばらくは頑張ってみようと思う。
さっきから羊文学の全曲メドレーを流しながらずっと書いているのだが、『夏のよう』が流れてきたので去年のイタリア旅行を思い出した。イタリアは1人で行ったので電車の中ではイヤホンをしてることが多かったのだが、その時期にドはまりしていたのが羊文学だったので記憶と結びついているのだろう。こういうのは割とあって、THE ORAL CIGARETTESの『WAR WAR WAR』を聴くと中3の頃通っていた塾からの帰り道に「いやこれ草東受からんやろなあ」と思っていた時のあの不安が、米津玄師の『春雷』を聴くと高2のスキー部冬合宿中に吹雪の中で1人リフトに乗っていた時のあの寒さがいつも思い出される。
イタリアはローマとナポリの2都市を巡ったのだが、この曲を聴いていつも真っ先に思い出されるのはピサ空港を出てすぐに通った住宅街の一角で香ってきたよう分からん草の匂いである。マドリードからローマへ安く向かうためにはピサから出てる電車に乗る必要があったのだ。どんな匂いかはもう忘れたが、「なんやこれ!これがイタリアの匂いか!!」と興奮したのは間違いない。書き出したら止まらないしイタリア旅行はちゃんと1つの記事にしたいので、今回はここらへんでやめておく。ただ、人生の中で特定の匂いを鮮明に思い出せるのは多分あの草だけなので、久しぶりに思い返せてよかった。
羊文学メドレーが全部流れ終わったようで、今度はくるりの『オールドタイマー』が流れてきた。この前親が来てくれたので今のマンションの退居日について話した結果、2月の下旬に決まった。引っ越してきた頃は卒業なんてまだまだ先だと思っていたが、なんやかんやでちゃんと3年半も経っていたんだなあと実感している。海も山もすぐ近くにあって、昔ながらの温かい店が立ち並ぶ商店街があって、リバイバル上映や珍しい映画を見せてくれる映画館がたくさんあって、元町は本当に良い街である。ある時期までは大学生活は京都市で過ごしたいと思い続けていたが、今振り返っても何の後悔もないくらい良い街である。京都出身のくるりが流れて来たのでなんかその事を思い出した。
退居して実家に帰ってからはどうしようかと非常に悩んでいる。春休みの真っただ中なのだ。ニセコにいる友達に会いに行くか、青春18きっぷを使ってどこかへぷらーっと行くか、サンティアゴ巡礼のポルトガルの道を目指すか。なんにせよそろそろ計画し始めないと間に合わない。ちなみに周りはメキシコとか南米に行くと言っているのだが、僕は怖くて選択肢に入れた事すらない場所ばかりだ。みんなの旅行話を聞ける日が楽しみである。
とりあえず今月も記事が書けて良かった。もし来月も1本書ければ、今年は初めて毎月投稿できた年になる。ちなみに連続記録としては17ヶ月目に突入するらしい。基本的に飽き性の僕だが日記とnoteは継続できているので、書くことは性に合ってるんだと思う。ただし卒論、お前は駄目だ。