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恋多きフランス女

義理の姉の話。
彼女はバツイチ58歳、3か月前に新しい彼氏ができた。
ラブラブ期のせいか頻繁だったSNSの更新が最近減っている。

彼女に初めて会った約15年前、彼女はAさんと付き合っていた。
その数か月後破局しBさんと付き合い始める。
と思いきやその数か月後、Aさんとよりを戻す。
と思いきやまたまた破局し、またまたBさんと付き合い始める。
以後、A→B→A→B→A→B→C→B→C→B→C→B→D→C→D→C→D→C→E New!
はっきりは覚えていないけれど、大体こんな感じだ。

彼女の誕生日は9月で、毎回「彼氏」を連れてくるので今年は誰なんだろうといつも残りの家族で話題になる。
その後のクリスマスには違う人が彼女の隣にいる可能性が高いため彼女のパートナー用クリスマスプレゼントは無難なものを用意するのが通例。

数年前の義理の両親宅でのクリスマスイヴディナーではBさんが彼女の隣にいたのだが、ディナー真っ最中に玄関の物音に義母が気付いた。
妙に焦った義母に呼ばれて着いていくと、そこには真っ赤なバラの大きな花束と高級シャンパンが一本、手紙とともに置いてあった。
手紙にはCさんのサイン。
Bさんと義姉に気づかれないように大慌てでそれらを隠し、事なきを得た。
ちなみにクリスマスイヴはフランスでは家族が集まってディナーを囲む一年で一番大切な日。
そんな日に家族(母親や子供)をほっぽり出して車で片道一時間ほどかかるド田舎まで置き土産をしに来たCさん。
切ないような、ちょっと狂気を感じるような…。
残念ながらその後、Cさんの想いは実らず。

義姉は38歳で離婚してからずっとこんな状態らしい。
なんでも恐ろしいことに彼女は元旦那はもちろん、すべての元カレと繋がっているそうだ。
元カレなんて一人として繋がっていない、名前すらちゃんと憶えていない人もいる私にとっては衝撃だ。

そんな彼女、どんな人かというと、一言でいえば綺麗で面白くて頭がいい。
そりゃモテるわ。
客観的に見れば割と自己中心的なんだけど、なぜか憎めなくて人を巻き込むのが上手い。
一緒にいると彼女のために何かをしてあげたくなっちゃう気持ちがよくわかる。

さてEさんはいつまで彼女の隣にいれるかな?

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