短編小説0046 目線は同じ方向に 261文字 20秒読
あのコを見つめる
誰にも気づかれない
ずっと見ているのに気付かれない。
窓の方を見ているから、あのコでさえ気付かない。
赤や金色の光が見えると消える。
揺れると触れる。ちょっとだけ。
トンネルは気をつけろ。自然な視線で。
スマホは便利だ。視線がいくらでも作れる。
ホントは横を向いて、まっすぐに、美しい君をいつまでも見ていたい。
気付かれない今だけのオレの特権。
期間限定の幸せ。
いつかは違う次元に昇華させた幸せに。
ちょっとこの、まだ化学変化する前の幸せに酔っていたい自分もいるから、複雑だ。
まだ名前も知らないけど。
また明日。
お先に。
おしまい