手をつなぐ、それだけのことなのか
ミミックです。
突然ですが、あなたはあなた自身のお母さんやお父さんと手をつないだことはありますか?
僕はありません。
というよりかは、自分から避けてきました。
父は顔も名前も知らず、母は恋愛を繰り返し、男と二人で暮らすために幼い僕を置いて祖母に預けるなどしていた為昔は関わりもなく疎遠であったため、無関心、もしくは苦手の類に含まれました。ばあちゃんとも手はつないだことがないかもしれません。僕は興味のあるものにぴゃーっと行ってしまうので逆に手をつなぐ機会がなかったのかも。
しかし、そんな人はきっと身近に結構います。
親子とではなくても友達や恋人と手をつないだことはある人もいます。僕だってそうです。今は比較的仲の良い母と妹と三人で暮らしていますが買い物に行くときは腕を組んだりスマホを見ながら裾を引っ張ったりしていますし。
でも手をつないだことがありません。母本人に聞いてみても
「そういえばそうだわ!生まれた時もお前手術室に一気に運ばれたもん!!(確率がマジ低いタイプの先天性内反足)」
と言われるのみ。話の流れで手をつなぐみたいなことも無い。
普通の生活をしていたならばシングルマザーとはいえ手をつなぐことくらい日常茶飯事、とても容易かったでしょう。
ですが僕ももうすぐ20。恥という概念こそ多く抱いていますが親と手をつなぐという行為には大いに憧れがあります。
幼い頃に戻って…に限りですが。
スーパーでバイトをしていると色んな家族像をよく見かけます。
おじいちゃんを振り回す孫
おもちゃコーナーから離れない妹を連れてこうとする姉
限られたお小遣いでほしいものを買う兄弟
両親と手をつなぎ仲良く買い物をする小さなお子様。
いつもぼーっと働いている僕ですが、手をつないで楽しく買い物をしている家族を見ると眺望の眼差しで見つめて背景を勝手に想像してしまいます。
世帯年収はいくらだろう、結婚何年目かな、留守番の子はいるのかな、戸建てかな、マンションかな、アパートかな、大きい子は何才だろう、お母さんの方に給料はいっているのかな、この子はお父さん似なのかな、
この子は両親が好きなのかな?
まだ手の小さい子は指しか掴むことができないだろうからお父さんの指を離さないようにと抜けてしまいそうなほどに掴んで、離さない、腕をめいいっぱい伸ばして、お父さんの顔を見て、にっこりと笑いながら______
とまあ詩的に文章を書いてみましたが、僕は若いうちにしかできないそれが羨ましくてたまりませんでした。
なんでこんなに手をつなぐことを羨ましがっているかというと、保育園の時の学芸会の出し物でピノキオをやることになったとき、僕はじゃんけんに負けて魚か木か人形芝居の親方(悪役)どれがいいかと先生に聞かれて半分ヤケクソで
「せめて人間がいいから悪役でもなんでもやってやるよ!!!」と言って引き受けた親方の台本に【人形と手をつなぐ】と書いてあったことからでした。
いざ、練習。
「俺たち一家の人形芝居は~~~~~~」
ぼく「(手つながなきゃ…)」
う゛お゛おおおおおおおおおおおおお!!!!
※右が僕です
「お金をもってお客様が~~~~~~~~~~~」
「みていらっしゃる!!!!!!」
き~~~~~~~~~~~~~てく~~~~~~~~~~~~~~~れる~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
人形役の女の子は泣きました。
これでもかというくらい泣き叫びました。
天に掲げられる彼女の人差し指と中指。
後で僕は先生にこっぴどく叱られ、手をつなぐ練習をすることに…
僕は知りました。
手をつなぐという行為の身近さと、それに慣れている人の幸福を。
何事も慣れているということに越したことはありませんし、手をつなぐのに慣れている、とても素晴らしい事ではないですか。
その後先生と打ち合わせして、女の子と和解し見事本番までしっかりと手をつなぐことに慣れ問題なく劇を進行することができました。
手をつなぐ。
ドラマや漫画、絵本や道端でよく見るごく普通の光景ですが、色んな文献を読み漁っていると手をつなぐ人の心理についての話が載っていました。
まず前提として、嫌いな人とは手をつなぎませんよね。
通常、仕事や僕のような子供の行事以外では好きな人としか手はつながないのがセオリーです。
親子の心理の話ですが、子供は手は『自分を愛してくれる人』でなければつないでくれないと深層心理で理解しています。
僕は幼少期母の愛を十分に享受できていなかったこともあり、母が彼氏と住んでいた家へ行って近くのスーパーに行ったとき、僕を真ん中にして手をつなごうとしていた意図に当時気付かず、母の腕にへばりつきました。
孤独。
祖母では埋まらない愛を僕は手をつなぐことに飽き足らず、全身で受けようとしました。へばりついたのはもう一つ理由があります。
後に妹の父親となる男。父という概念も知らない為、大人の男が苦手な僕は俗にいうエディプスコンプレックス(母親を手に入れようと思い、また父親に対して強い対抗心を抱くという、幼児期においておこる現実の状況に対するアンビバレントな心理の抑圧のこと。wiki参照)に無意識のうちに支配されていました。
こいつに母を渡してなるものか。
僕はお前より母のことが好きなんだ。
その考えに頭がいっぱいで男をずっとにらみつけ、会話もせず、早急に祖母に連れて帰られました。
男の顔は覚えていませんがこの出来事は今でも覚えています。
ですが結局手はつないでません。
『縋った』という方が正しいかもしれません。
僕を置いて男を選んだ母が僕のことを愛してくれているか?
齢僅かの頭でもそれは十分に理解できていました。
手をつなぐということはお互いがお互いを好きという確証が少しでも無いと結局成立することではないと思います。
ちなみにこれは恋愛とも同じです。
恋愛の場合はまた勝手が違ってきますが、
何回も言いますけど前提として嫌いな人と手はつながないですよね?
(そういう仕方のないような仕事は除いて…)
お付き合いの前の話ですが
遊びではない男性の場合
・好意を抱いている
・守りたい
・独占したい
・友情
・安心させたい
遊びではない女性の場合
・好意を抱いている
・振り向いてほしい
・寂しい
・友情
などなどあります。
女性に限った話ではありませんが、付き合ってもいないのにむやみやたらに手をつないでくる女性には気を付けてくださいね。
日本男児はシャイな方が多いので自分から手をつなぐ人って最近は中々いないのですが、ある程度長い関係にある男性から手をつないだらそれは脈ありとみていいと思います(女性のまとめサイトみたいになってきたな…)
手のつなぎ方にも心理は出ます。
とりあえず有名な2つだけ解説をしますぜヘヘ
友達つなぎ
構造上の問題、基本手の甲が下になる人に主導権があります。
基本勇気を出して手をつなぐときってこのつなぎ方になると思いますし、なにゆえ嫌悪感を相手に与えにくいつなぎ方ですね。
スタンダードであり、不自然さもない友達つなぎは愛を確かめるときにも用いられます。
恋人つなぎ
さてカップルの定番である恋人つなぎですが、男性と女性で心理が違います。男女ともに強い信頼、愛情が無いとできない行為です。
これに関しては文句無く恋愛感情がある、と見て問題ありません。間違いない(何回も言うが結婚詐欺とか水商売とかそういうのは知らないぞ!)
男性は女性にされたら即オチ、女性は両思いの男性にされたら黙って握り返すのでは???筆者も流石にこれをやられると死にます。ちなみに握り返されたら脈アリなのでそのまま幸せになってください。なれよ
かなり脱線しましたが、結局何が言いたいかというと手をつなぐということはそれなりの愛情が無いと成立しない、そして互いの愛情を再確認する手軽でありとても重要なコミュニケーションだということです。
減るものでは無いですし普段恥ずかしがっている方も手をつないで歩いてみてはいかがでしょうか。
友達も恋人もいない?あっ…………
僕も今では機会は減りましたが、少しずつ努力していこうと思います。
ミミックでした。
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