すべてがひっくり返る最後のページ!「いけない」道尾 秀介
はじめに
本を読んでいて、最後のページで「まさか!」と声をあげたことはありますか?道尾秀介の「いけない」は、まさにそんな驚愕のミステリ作品です。この本は、ラスト1ページで物語全体が一変し、読者を何度も騙しにかかります。しかし、そのトリックの巧妙さと緻密なプロットに引き込まれ、最後までページをめくる手が止まりません。
写真が物語を変える
この小説の特徴は、各章の最後に挟まれた「写真」にあります。ただの装飾や挿絵ではなく、この写真が物語の鍵を握っています。読者はその写真を通じて、物語の隠された真実や登場人物たちの本性を知ることになるのです。写真一枚で、物語の全貌がガラリと変わるなんて、想像できるでしょうか?まさに、2度読みが必至のトリックです。
第一章「弓投げの崖を見てはいけない」
物語の幕開けとなる第一章では、自殺の名所「弓投げの崖」が舞台です。ここで語られるのは、復讐の連鎖によって引き起こされる悲劇。読者は、誰が何のためにこの崖に向かい、そしてどんな結末を迎えるのか、ページをめくるたびにドキドキすることでしょう。痛ましい運命に翻弄される登場人物たちの姿に、胸が締め付けられます。
第二章「その話を聞かせてはいけない」
次に登場するのは、少年の目撃談です。しかし、彼が見たものは本当に殺人現場だったのでしょうか?それとも、全ては彼の勘違いなのでしょうか?物語が進むにつれて、真相は一層複雑になり、読者をますます混乱させます。少年の言葉の裏に隠された真実を解き明かす過程で、あなたもきっとその巧妙なトリックに翻弄されるはずです。
第三章「絵の謎に気づいてはいけない」
第三章では、新興宗教の若き女性幹部が登場します。彼女の死は本当に自殺だったのでしょうか?それとも、何者かに仕組まれた謀略だったのでしょうか?絵に秘められた謎を解く鍵が、この章に隠されています。絵の持つ力が、物語の運命を大きく左右するのです。読者は、絵に描かれた内容を通じて、物語の深層へと引き込まれていきます。
終章「街の平和を信じてはいけない」
そして、ついにすべての謎が明らかになる終章。これまでに張り巡らされた伏線が一気に回収され、読者を驚愕の結末へと導きます。ここで初めて、物語全体の真実が明らかになるのです。この章を読み終えたとき、あなたはきっと、道尾秀介が仕掛けた見事なトリックに感嘆することでしょう。
まとめ
「いけない」は、読者を騙し、そしてもう一度読み直させる力を持つ、道尾秀介の超絶ミステリです。最後のページで物語が一変するというその緻密な構成に、誰もが驚かされること間違いありません。巧妙なトリック、緻密なプロット、そして意外な結末。この本は、ミステリ好きなら絶対に見逃せない一冊です。
読む前に心の準備をしておいてください。この物語に「騙される」覚悟があるなら、ページをめくり始めてください。