山の神のことば
あなたをみていると
まるで
遠い昔のわたしに出逢ったようだ
ただ流れるように流れ
清くあれば清く
濁れば濁り
また清く転じ
いまここにある草木や岩や
色とりどりの粒子とともに
現れては消え
消えてはまた現れる
いにしえから時を刻み
絶え間なく流れることの
美しさを想う
ただ在ることこそ
永遠(とわ)の営み
こうしてふたたび
あなたに出逢えたのだから
わたしは
永遠を生きているのだと
信じるより他ないのだよ
姿は変わっても
何一つ変わらない
皆
この星の鼓動であり
息吹であり
そして
死であるのだと
気づけば
自らの在ることがただ尊い
そう思う他に
何があろうか
他の在ることもまた
ただただ尊い
そんな思いが
水のごとく湧いてくるのが
自然なのだよ
自然を忘れた生命は
一体全体
何であるというのか
なぜ忘れるのか
思い出せば
この星はこの上なく
豊かで美しいのに
*ピンネシリ(日高)山麓、幌満峡で降り注いだメッセージ
*メモ(原文)に対し、表現上の言葉の調整のみ施しました
*男性のような低く落ちついた声で聞こえた感じがしたので、ピンネシリ(男性の山)の山の神のことばとして受け取り、タイトルに反映させました