✐☡ #色のある風景。虹の足。
先日、三羽 鳥さん主催の『 #色のある風景 』投稿企画に、参加させてもらいました。
締切を 二日ばかり過ぎていたのですが、素敵な表題に、思わず筆を取りたくなってしまったわけです。
その為、三羽さんに御手間をおかけにする事になってしまいましたが…
書いた記事をマガジンに収録していただいたと、御丁寧に、三羽さん ご本人様からコメントをいただきました。
この場を借りて、お詫びと共に、三羽さんの御慈悲に深く感謝申し上げます。
ありがとうございました。
『 カラフル 』というワードに、安直な私は 先ず、虹を連想します。
そして、吉野 弘 著『 虹の足 』も。
雨があがって
雲間から
乾麺みたいに真直な
陽射しがたくさん地上に刺さり
行手に榛名山が見えたころ
山路を登るバスの中で見たのだ、虹の足を。
眼下にひろがる田圃の上に
虹がそっと足を下ろしたのを!
野面にすらりと足を置いて
虹のアーチが軽やかに
すっくと空に立ったのを!
その虹の足の底に
小さな村といくつかの家が
すっぽり抱かれて染められていたのだ。
それなのに
家から飛び出して虹の足にさわろうとする人影は見えない。
―――おーい、君の家が虹の中にあるぞオ
乗客たちは頬を火照らせ
野面に立った虹の足に見とれた。
多分、あれはバスの中の僕らには見えて
村の人々には見えないのだ。
そんなこともあるのだろう
他人には見えて
自分には見えない幸福の中で
格別驚きもせず
幸福に生きていることが――。
幸福とは…
他人に見えて、自分たちには見えない「 虹の足 」のようなものである。
他人からは 幸福だと分かるのに、幸福の中にいる人は、幸福であることに気付かない。
もしかしたら、今 置かれている現状も、ちょっとだけ見方や感じ方を変えれば…
きっと、確かに有る幸福が 見えるようになるのではないでしょうか。
あれが無い、と、嘆くのか
こんなにも有る、と、感謝するのか。
願わくば…
後者でありたいな、と、私は思うのです。
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