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ささやか物語④アメリカンユートピアを見たら自分の生き方が晴れた
こんにちわ。ミミです。
今日はミミ自身のささやか物語です。
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先日、朝早く時間があったので
私の周りで話題になっている『アメリカン・ユートピア』という映画?を見に行ってきた。
NYで人気を博したショーを映像化したものらしい…
お恥ずかしながら、私は見るまでデイヴィッド・バーンさんを知らなかった。
なんなら、周りのお洒落センスの方々が口々に「最高!」「絶対見たほうがいい」と言うものだから…自分もそんなセンスの仲間入りしたいな。くらいの下心で見に行ったようなものだ。(笑)
会場に入り、全く無知の私は
「この人は誰?」(←失礼)
「え、ストーリーはどんな?ライブなのかな?」
など見方に手こずっていた。
が、10分もしたら…
音の世界に小さくカカトでリズムを刻みながら見ていた。この映画をビールを飲みながら見ていたら、きっと立ち上がっって踊り狂っていたのではないかと思う。
そうやって、「誰」とか「ストーリー」とかどうでもいいように没入していったのだった。
途中、濃いメッセージのシーンもあるが
私は総じて
人として生きる という事をぼんやり考えながら見ていた
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ミミは今、妊活中で、子供を望んでから2年半くらい経つ。
(妊活中と言っても、治療などはせず、できる限りのことをして、後は自然に任せている状態なので、妊活と言って良いものなのかも阻まれるが…)
正直、妊娠なんてすぐ出来るものだと思っていた。むしろ10代20代なんて
「いかに作らずに身を守るか」に集中していた。
そんな私は
卵子の数には限りがあると知ったのは30歳の時だった。
「おいおいおい!タイムリミットあるの知ってたけど、数量限定なんて聞いてないわ!」と急に焦った
その頃、インスタは友達の「子供」や「妊娠中」「出産」で溢れ返る。
友人なのに…喜ばしいのに…女として<先を越された>と劣等感が肩をそっと叩く。
親や姑の悪気のない「あなたたちの子供生まれたら〜」となどという
無邪気な未来予想図も分かってはいるが、あたりどころが悪い日は地味なボディブロー。
焦って何かしたところで、そう簡単に子供が出来るわけでも無いのだが、
それは永遠にゴルテープが遠ざかっていくマラソンを走っているようなもので。
生理が来る度に、スタート地点に逆戻りしている気分になるのです。
ぜーーーはー
『こんな子作り難しいなんて聞いてないぞー!作らない方法は散々知ってるが、ちゃんと作り方教えてもらって無いですけどぉぉぉ!!』
などと誰に向けて良い怒りか謎だが、吠えたくなる。クックパットに載ってないかな…作り方。
妊娠と向き合えば、向き合うほど
自分が生を受けたのは本当に奇跡だと感じる。先祖に感謝。
そして妊娠と向き合う程、自分の人生と本音とも向き合う…
「子供ほしい!」とも「子供ほしい?」とも 思考が月と太陽ばりに揺れ動く…のが真実で。
私は、子供が純粋に好きで、主人との子どもを純粋に望む反面。
母になったら出来なくなってしまいそうな事も惜しい。
母になったら長年培ってきた社会(仕事)から自分がなくなるのでは…
こどもを育てていけるのか…という恐怖や自信が揺らぐのだ。
これはただ自分が 母親 というカテゴリーに属したいだけの欲望なのかもしれない。そのカテゴリーに入ったら安心みたいな。
女、社会人、嫁、そして、母。
いったい誰のために、、その役割を全うしたいのだろうか…
いったい誰のために、、そのカテゴリーに属したいのだろうか…
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話は戻って、映画を見ながら
『女』『男』『日本人』『異性愛者』『アジア人』
など、自分のカテゴリーについてぼーっと考えていた
アーティスト達が楽しげに歌い・踊り・演奏している…
出演者の構成は意図的に移民の方々をフォーカスするようになっている。
その姿や音を聞いていたら
カテゴリーとかどうでもいいや
となった自分がいた。
私は<人>だ。と。
そしてここにいるみんなも<人>だと。
自分が人として何を選んで生きるのかが大事なのであって、
たまたま「女性」の機能が備わっているから、それを使って子孫を残したいかどうかなのだなと。
変な悟りの境地に達したのであった。
「女の役割」を意識して生きるか、「人の選択」を意識して生きるか、別に端から見たら結果は変わらないと思うが…なんだか気が楽になった気がしたのだ。
(映画を見てひょっこり現れた考えだから、頭の良い人に理屈責めされたら一気に崩れる可能性は大いにあるが… 笑)
あなたのユートピア(理想郷)は?
スクリーンの向こうから問いかけられた
「人として生きていく事」
33歳今のミミの答えはこれだ。
(これをヒューマニズムねっ。なんてカテゴライズされようもんなら途端に嫌になってしまうのだが…笑)
なんて、
エンドロールが流れる頃には、音楽の圧倒的な熱量にテンションが上がって、自分が1センチ大人でスマートな人間になったような気すらしていた。
これが海外なら拍手して歓声の雄叫びをあげたいぐらいだが、、
客席が明るくなると、日本人らしく静かに席を立ちイソイソと席をあとにする。
周りも同じく。イソイソと。
ヒト科 生息地 日本
である事を味わいながら心とマスクの下の顔をムフムフとさせながら映画館を後にした。
そして
インスタに「最高!」と載っけるのであった。