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どこまでいっても、わたしはわたし。

そんな当たり前の事実に
今更凹んでいる。

わたしは
わたしなりにいくつもの波を越えて
すっかり変わった気でいたからだ。

だけど変わったのは
わたしの気持ちだけで
根っこの部分は過去としっかり繋がっている。

きっと
どれだけ先まで走っていったつもりになっても
隣でそれを過去のわたしが
冷ややかな目で見ているのだろう。


いっそ何もなかったことにして
逃れたい、忘れてしまいたい、と
思うことはたくさんある。

ただ、月並みかもしれないけど
それもまた、今のわたしを構成する材料なわけで。

その片鱗が見えてもなお
お付き合いを続けてくれる人達だって
いるわけで。

案外、嫌だ嫌だと言っているのは
自分だけなのかもしれないね。



わたしは
憧れの誰かには決してなれない。

でも
もしかしたら
他の人がわたしを見て
そんな風に思うこともあるかもしれない。



しんどいな、って思ってると
顔を上げることを忘れてしまう。

それを思い出させるかのように
白い蝶々がこつりと
わたしの被る帽子に触れていった。

ずっとじゃなくていいから
もう一度前を向いて
ほんの少しでも歩いてみよう。

きっとそのうち、
このトンネルを抜けるから。


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