その形には、理由がある。
わたしは成人してから
12kgの減量に成功している。
確かにお腹は引っ込んだし
背中や顔もそれなりにすっきりはした。
ただ、
意外に強敵なのが脚だった。
女性らしいと言えば
聞こえはいいかもしれないが
いつまでも“もちもち感”に溢れていて。
すらりと伸びる脚を見ると
いいなぁと思いながら
半ばそうなることを諦めかけていた。
それでもやっぱり
完全には諦めきれず
あれこれと情報収集やその実践に励む日々。
そんな折に
偶々習い事を始めることになったのだが
ここで出会った先生の脚が
それはもう大変に
美しくすらりとされていて
頭上から美しさの塊で
ガツンと殴られたかのような
衝撃を受けたものだ。
体型には個人差こそあれど
普段の生活が表れるもの。
演奏を生業としている方であれば
そのフォームは絶対的に美しく無駄がないはず。
レッスンの復習のために
撮らせて貰った動画を
繰り返し観るうちに
ほんの少しずつ
予測が確信へと変わっていく。
それは
ついていこうとするわたしの
走る速度を上げていった。
そしてまたひとつ
パズルの欠片を見つけて
再び走り出す。
あんなに変わらなかった脚は
気づけばふくらはぎの周囲が
2cm細くなっていた。
「ドラムだけでなく
音楽全体として楽しんで貰えたら」とは
いつぞやの先生のお言葉だが
わたしは最早、人生が楽しい。
有難いことだ。