沼越えて、海。
ドラムとのお付き合いも
半年ほどになった。
毎日のように手足を動かし
リズムのことを考えて
音の聴こえ方が移り変わるのを
今日も飽きずに
感じている。
月に一度のレッスンも
先日で7回目。
なんとなく色々なことが
見え始めたらしいわたしに
先生の語る言葉も
少しずつ熱を帯びてゆく。
言われた瞬間に
全て理解できるわけではないけど
ふと気がつくと
そういうことか!となる瞬間が来て
もうその時には
どっぷり沼に浸かるどころか
大海原のど真ん中にいるかのような
感覚になることがある。
わたしは、泳げない。
ひとりではとても
ここに飛び込めなかっただろう。
浅瀬に案内され
水底でキラキラと光るものを
見せてもらって
そっと近くで見守られ
手を伸ばせば喜ばれ
欠片を拾ってみれば褒められる。
そうして少しずつ
沖の方へ来ていたんだ。
多分、もう戻れないけど
後悔など微塵もない。
まだまだ
見たことも無いような
素敵な景色が
待っている気がして
今日も自ら
手足を動かして
前に進んでいく。