
ゆめうつつ。
眠りに堕ちてすぐ、夢を見た。
夢の中のあたしは、ちょうど今布団に入ったところで、
そういえばパソコンの足元の暖房を消しただろうか、
と、思っているのだった。
夢ウツツでそう思っているのではなく、
しっかりとした夢の中で、そう思っていた。
はっと目覚めて、ああ夢か、と思う。
パソコンの足元の暖房は、部屋の明かりを消す前に、
ちゃんと確認した覚えがある。
だから、消しただろうか、などと心配しなくて大丈夫、
そう思いながら、再びとろとろ眠りに就いた。
と、またも夢を見た。
夢の中のあたしは、ちょうど布団を抜け出したところで、
明かりの消えた部屋に向かっている。
足元の暖房はたしかに消えていたのだけれど、
なぜかパソコンのモニターが青白い光を放っていて、
電源を落とそうとするのだが、
落ちない。
あれこれといじってみて、ようやくパソコンは
しゅるしゅるとフェイドアウトするように暗くなり、
ああ、よかった、
と思いつつ寝室に戻り、布団に入った。
はっと目覚めて、あれ、と思う。
たった今布団に入ったのは、夢の中のあたし?
でもその感覚がたしかにからだに残っていて、
もしかすると今のは夢ではなかったのかも。
が、布団の中の手足はぬくぬくと暖かく、
確かに今まで眠っていたのだと言っている。
そう、やっぱり今のは夢。
夢だったのだ、と、思うのだけれど……。
夢かウツツか定かではない夢を見て、
あたしは夜の闇の中で、
ひとり困惑していたのだった。