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道は、あなたを覚えている。
地元のなんてことない道を歩いていた。
車で行けばすぐに着く目的地を歩いていく。
どんな街も時間が許す限り、電車と徒歩で移動する。
仕事では、何のための道路空間利活用か考えさせられる。
建物は変わっても、道路は早々変わらないことに気づかされる。区画整理されても道筋は残る。
25年ぶりに、小学校までの道のりを歩いて、下校する時の道、寄り道、土日に遊んだ場所を歩いてみた。
通学路には、昔はけやき並木があって、砂利の空き地、畑、個人経営のコンビニ、ゲーム機(ストリートファイター)など
面白かったのが、家ごとにではなく「この道を曲がると◯◯くんの家」みたいに
道と連動して友人の家を記憶していたこと。
家は建て替わっていたり、今はもう無かったりしても、25年経った今でもほぼ正確に名前(あだ名)と家の場所を覚えてた。
ついでに、高校生の通学路まで範囲を広げて、よく通った書店まで歩いた。
家族で食事したあと寄ってレンタルビデオ探した、高校の野球部の練習あと、悔しかった日、友人と遊んだあと、いじめられて学校行きたくなかった日、雨の日、色んな日に立ち寄った。
資格試験の本を買ったり、小説は山田悠介とか読んでた。
思えば、この書店のおかげで本が好きになった。
もともと地元で有名な広福員道路にあったが移転した。それでも移転前の名称で書店として残ってた。
2年前くらいに、国交省がバリアフリー・ナビプロジェクトっていうアイディアコンペがあって、未満建築デザインファームで2件応募したけど、どちらも採用されなかった。
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「マイストリートメモリー」
そのうちの1つが
「マイ・ストリート・メモリー」
道路に記憶媒体が埋め込まれていて、歩くたびに靴底やスマホのセンサーと通信して過去を引き出してくれる。同期しておくと家族の記憶も引き継がれる。著作権が切れると偉人の記憶も同期できる。
松尾芭蕉が俳句を詠みたくなる場所に興味があって、それを道路を掛け合わせられないかと思って発案したもの。
道路空間を利活用することによって、人は何を残したいんだろうと考えて生み出したアイディア。
別に、椅子やテーブルを置いて、ご飯食べたい訳じゃないはず。(そういう日も嫌いじゃないけど、それだけが答えじゃないと思っている)
何十年もそこにあるインフラをつくるってことは、何十年もそこにあってほしい機能があること。
共同のハードディスクみたいにみんなの記憶が保存されて、何年後かに引き出される道路。
当時、締切30分前に、なんとかまとめて提出した提案書だから、今、見ても提案書の仕上がりはまるでダメだしダサいけど、アイディアはとても自信もってるので、どっかで実現させたい!
いつかどっかで実現すると信じてる。