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ワーケーションとまちづくり

テレワークやワーケーションが普及し始めた頃は、都会から離れて農山村地域のホテル等で働くスタイルが先行していた。

現に、「ワーケーション」という言葉を聞いてまず、頭に思い浮かべたのは、窓辺にノートパソコンを置いて、海辺や山を眺めている景色だ。

そして、「駅前や外でノートパソコンを開いてちょっと作業する」と聞いて思い浮かべたのは、スーツ姿のサラリーマンだった。

今回の話を聞いて、先入観がミスマッチを生み出していることに気が付けた。

今でも一部では継続している人もいるが、会社か自宅か出先など、自身の働き方の考え方が変わりつつあり、ワークライフバランスが取りやすい行動圏で働くスタイルが主流になってきている。

このような変化の中、都会過ぎず、田舎でもない地方都市においては、主要駅前から徒歩圏にワーケーションしやすい環境が整うことが、来訪者にとっても、住む人にとっても快適なまちなかになるのではないかと考えている。

まちづくりとして取り組むために、少し前にワーケーションを実践している人に話を伺った。

ビジネスマンといっても、場所を選ばずに働ける人は、「働く場所」を探している訳ではなく、「自分に合った働き方ができる場所」を選んでいる点を誤解されやすい。

誤った認識が進むと、単に電源やフリーWi-Fiを設置すれば、おのずとワーケーションやテレワークで働いている人が集まってくる。だから、整備するんだ!と気合がはいり、ミスマッチが起きてしまう。

実際に家族や子どもと一緒にワーケーションしている人は、電源やフリーWi-Fiがあっても、スーツ姿ばかりの人がいる場所や静かな図書館、学生が多いカフェは、かえって利用しにくい。

むしろ、公園や観光地が近くにあり、電源やフリーWi-Fiなどが確保できる場所を探している。

そうすれば、家族で訪れても数時間働いたあと、観光地で家族と合流して過ごしたり、公園で子どもが遊んでいる姿を見ながら、テレワークで会議に参加できる。

そういう具体的な使い方をイメージできる場所は、ワーケーションの環境として選ばれやすい。

このやり取りの中に、地方都市のまちなかに必要なまちづくりのヒントがある気がした。

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