流産・中絶・避妊・性犯罪に対して、日本は残酷で時代遅れである
流産
実は私は流産の経験がある。
(流産は年齢によるが10%~15%くらいの確率で起こり、特に妊娠初期の流産はほとんどが胎児の染色体異常で、必ずしも母親に原因があるわけではないらしい)
近所の有名な産婦人科で稽留流産が告げられ、胎児を排出するための手術が必要と言われた。
手術を、吸引法と比較して安全性が低いと言われている「そうは法」で行うと言われたので、私は手術を拒否した。
しばらく経ってから、自然に胎児が排出されて、その胎児が胞状奇胎でないか検査してもらうために病院に行ったが、「体内に残骸が少し残っている。感染症を防ぐにはやはり手術が必要」とのことで、仕方なく手術した。
そうは法で手術されるのが本当に嫌でめちゃくちゃ泣いた。
”稀に子宮に穴があく”と言われて怖くない人はいないと思う。
手術を拒否する私に「原始人じゃないんだから」とも言ってきた。私がおかしいんだろうか?
今出てきた話の中で、流産やそうは法について初めて知った人も多いと思う。
このことを知らなければ、流産と聞いて母親を責めたり、そうは法の問題点、手術を受ける側の不安な気持ちに気づけない。
ちなみにそうは法は、スプーンで子宮内をかきだす術式で、吸引法では器具で子宮内の残置物を吸引する。
中絶
さらには、流産なら保険が出るが、中絶の場合は出ない。中絶費用は10~30万ほどかかる。
中絶の場合も、流産と同じ「そうは法」か「吸引法」で手術を行う。
体に負担が少ないと言われている経口中絶薬は、1988年にフランス等で使用開始された薬が、2021年に厚生労働省に承認申請されたところで、まだ使用できる状態に至っていない。
WHOは経口中絶薬を安全で効果的だとして「必須医薬品」に指定している中で、「そうは法」は子宮内を傷つけるなどのリスクがあり行うべきでないとしている。
しかもこの薬の海外での平均価格はおよそ740円。手術となると青ざめるが、この価格なら今後の暮らしも不安にはならない。
もちろん、すすんで中絶したいなんて人はいない。
しかし、経済面や、婚外子やその親への差別などの事情の中で、中絶を選択せざるを得ない人もいる。
妊娠した時点で、女性は心身ともに負担がかかり、また中絶するにも早い決断を迫られる。
中絶同意書は、既婚者ならパートナーの署名も必要で、未婚なら不要だが、訴訟のリスクを恐れてパートナーの署名なしの中絶を断る病院もあるという。
避妊
それでは、望まない妊娠を避けるよう努力すべきだ、と考える方も多いと思うが、その点でも日本には制約が多い。
日本で主流な避妊方法はコンドームとピルだが、男性側がコンドームを拒否したり、ピルは高価、病院でしか手に入らないなどの理由でアクセスが良いとはいえない。
「#なんでないの プロジェクト」では、そのような状況を変えるための活動をしている。私もクラウドファンディングや署名に参加している。
性犯罪
日本では、性の権利が守られていないといえるのは上記の内容で示した通りだが、性犯罪に対する罰則においても、海外と日本では違いがある。
出典:諸外国の性犯罪に関する罰則(概要) 法務省https://www.moj.go.jp/content/001318167.pdf
ここで、海外と日本の強姦の発生件数、加害者への対策などを見てみる。
特定非営利活動法人 しあわせなみだ
http://shiawasenamida.org/m05_02_04
海外の方が犯罪件数が多いが、加害者に対して「社会治療施設への収容」「性犯罪者の司法データベース登録」など厳しい法制度となっている。
日本の犯罪件数は少なくてよかったじゃないか、と私も一瞬思ったが、先ほど挙げたように日本の方が罰則規程が少ないだけの可能性がある。
不条理を不条理と気づけるように、犯罪を犯罪と気づけるように
性に関する問題は、個人の生きる権利、重大な人生の選択を選ぶ権利、「女性だから」と強いられる不平等の是正など、ダイレクトな問題として降りかかってくる。
まずは気付き、声を上げること。
女性がこの記事を読めば、ほとんどの方はその恐ろしさに気付くと思うが、男性にこそ、これらの問題を直視してほしい。
日本はジェンダーギャップ指数120位で、特に政治・経済の分野でジェンダーギャップが著しい。
政治でこれらの問題が長らく放置されてきたから今の現状があると私は思う。