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【宮崎】知らない街の喫茶店でモーニング

講師の仕事で宮崎県に行った。正直、講座はどうも受講者の方のニーズとズレた内容になってしまったようで、受講者にも主催者の期待にも応えられなかったと感じている。講座を終えたあと、「ああすればよかった」と反省する考えと「自分なりに準備して臨んだから気にしなくていい」という気持ちが交互に浮かぶ。

翌日、まだうっすら落ち込んだ気分を抱えて街の中を散策しつつ、モーニングをやっている喫茶店を探した。知らない街の喫茶店でモーニングを食べるのが好きだ。その街の人の会話が聞こえて、街の人の日常に触れる感じがする。

商店街の中の一軒の店に入った。女性の店主とカウンターに初老のお客が一人。
私はホットサンドとコーヒーを注文した。聞くともなしに聞いていると、
客「今週は忙しいんだよね。眼科に行かなきゃいけないし、〇〇さんのお見舞いにも行くし。どっちも病院だねえ。」
店主「うんうん、忙しいね。」
そのあとも客は自分の身体の調子や知り合いのことを話して、
「また夕方来るね」と言って店を出た。

店主は終始「そうだねえ」「そっかそっか」とうなずきと相づちだけだ。このお客さんは自分の話を聞いてほしくて、日に2回来るのかもしれない。

ホットサンドはツナとハム、千切りキャベツ、カラシも効いていて美味しかった。食べていると店主が私に話しかけてきた。
店主「ホットサンドってピタッと挟んで薄く焼くタイプと、トースターで焼くタイプがあるじゃない?試してみて、こっちのトーストタイプの方にしたのよ〜。」
私「おいしいです!」

そのあと、私が仕事で宮崎に来たこと、泊まったビジネスホテルに温泉があったこと、飼っている猫の話になった。
店主は「まあお仕事で?」とは言ったが、何の仕事かは聞かれなかった。説明の必要がなくて助かる。ホテルや猫については「〇〇ホテルだよね。温泉、空いてたでしょ(笑)」「猫はオスのほうが甘えん坊だよね」とか会話が続く。個人的なことには触れないし、気楽に話せた。

私は初対面でグイグイ踏み込んでくる人や、共通の話題を探してぎこちなくなるのが苦手。その店主との距離感はとても心地よかった。

もしこの街に住んでいたら、この店に通って「今日仕事がうまくいかなくて・・・」とか日常のちょっとした悩みを話してしまいそうだな。

常連さんが1日に2回来るのもわかる気がする。





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