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2024.3.15

キャロットケーキ、シナモンロール、チャイ、ジンジャーエール、ラム入りデザート。

みんな大人になってからその美味しさを知ったものたち。

スパイスや洋酒のおいしさに気付けただけで、私は大人になって良かったなと思う。ふと立ち止まってみたらずいぶん素敵なものをこの手に抱えて私は私を生きているなぁと思うようになった。歳を重ねるごとに、じんわりとあたたかさを増していく私の世界がとても愛しい。

大人になって良かったことの中に、"食べたいものを好きなタイミングで自分の足と自分のお金で手に入れることができる"ということと、"それを自分で再現することの楽しさを知った"がある。大人って本当に楽しい。

若い時に持っていたものから気付いたら離れていたものもあるけれど、それももう私は縋ることなく見送ることができる。

『今』が過ぎていってしまうこと、大人になること、とてつもなくこわくて、想像するだけで行き場のない不安に包まれて、なんにもない海の中に放り出されてしまうような..そんな孤独を感じていた頃があったけれど、27になってみたら日々はずいぶん穏やかだった。

プライベートにしろ、仕事にしろ、なにかハプニングが起きたとしても冷静に前を向けるようになった。大小関係なく何度か修羅場を乗り越えていると、自分が思っているより心はしたたかさを身につけていて、ぱっと泣いて美味しいものを食べてあたたかいお風呂に入ってしまえば、まぁどうにか大丈夫だなと思える自分がいる。
好きな音楽を聴き、好きな映画を見て、新しい本のページをめくり、カメラを持って旅に出ている自分がいる。

寂しい時に誰かに寄りかかるのは勿体ない。
"自分"を1番濃く感じるその時、より風は気持ちよくて、空は青く澄んでいて、海は穏やかで、鳥の声があたたかく響いて、雨は子守唄で、光は希望で、月が隣にいてくれて、文学やカメラが私の味方で、このやわらかな世界を独り占めできる。その自由さを全力で味わえる。そういうことも昔出会った文学が気付かせてくれた。少しずつ噛み砕いていって自分の中に馴染んでいった。これだから、文学は最高なんだ。

そうして、今が続かないのではないかと不安だったのに、"もし変わってしまったらあれをする!"と、今では心底どちらに転んでも楽しみを見出せるようになった。こういうところに、もがきながらも歳を重ねてきたことの意味を最近とても感じている。

何が言いたいんだって感じだけれど、何かが言いたいというよりぽつぽつと想いを出している、が正しい。想いをそのままアウトプットする時なんて大概そんな感じじゃない?まとまらんのよ。でもこれでいいよ、私は。

ここまで目を通す人もいないと思うし、とりあえず不安だったあの頃の幼い自分に伝えておこう。

あなたが思っているより、あなたはずいぶん強くなって、日々は穏やかであたたかで、たまに泣きたくなるほど素敵なものであると。

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