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思春期万歳🙌

僕の学校では、その学期に頑張ったことを各学年代表1人発表する「頑張ったこと発表」というものがある。
2学期もあと1週間。今学期の頑張ったこと発表は誰にするか、ということで、子どもたちに2学期の振り返りを書いてきてもらった。
正直、こういう代表者を選ぶ的なイベントはなかなか苦手である。しかし、今回はその文章に出会った瞬間、決まったことを確信した。

代表となった彼の文章の題名は『助けるために、2学期頑張ったこと』だった。

恐縮ながら内容をめちゃくちゃ短くまとめると、「周りにからかわれることへの不安や恐れを乗り越える勇気を持って、誰かを助ける2学期に出来た」という内容だった。

僕の受け持っている5年生たち。普段あんなにおちゃらけているものの、中には異性への興味が芽生え始めている子もいるようだ。今まで何の気なしに出来てきていたことが、何だか気恥ずかしくなったり、少し仲良くしているだけで噂されたり。そんな時期らしい。
まずそんな思いを抱える子がいる事実を知ることが出来たことに、僕は何とも言えない嬉しさを感じた。「ようこそ、こちらの世界へ」といったところか?可愛すぎるよなぁ。

自分にもそんな時期があった気がする。素直になれば良いのに、なんだか遠ざけてしまったり、からかってしまったり。噂されるのが嫌でこそこそしてしまったり。そんなこんなを乗り越えて人は大人になっていくのだろうと思う。
しかし、彼は11歳にして、そのもどかしさを感じた1学期をバネに、この2学期に周りの人の目を気にすることなく、自分の正義と想いのもと、人と接することが出来た、と言う。何と素晴らしいことだろうか。

あるがままの心で生きられぬ弱さを
誰かのせいにして過ごしている
知らぬ間に築いていた
自分らしさの檻の中で
もがいているなら
僕だってそうなんだ
Mr.Children『名もなき詩』

多分このフレーズは彼のような前向きに生きようとする若者のためにあるのだろう。そう思えてならなかった。

彼に代表者として発表してほしい旨を伝えると、とても照れくさそうにしていたが、やがて承諾してくれた。
もしかすると子どもによっては伝わりにくい内容かもしれない。ただ、彼の読む文章が響く子たち、同じ悩みを抱える子たちだけでも構わないから、届いて、またそこから新しい優しさを生み出してくれるといいな、とそう願っている。

ここまで読んでくださった皆さん、ありがとうございました!

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