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バイクに乗せてもらって風に吹かれて

10月5日(土)
朝、目が覚める。小鳥の歌声にうっとり。むくりと起き上がる。

玄関の戸を開けて朝のぜんぶに「おはよう!」と、あいさつをする。

ウーちゃんとルーちゃんにエサをあげる。
植物たちに水をあげる。

今日は こもれびの森に行く日。
修一郎の食事をお弁当仕立てにして ふたつ作っておく。

ウーちゃんとルーちゃんの水槽の水を換える。

午後、ごはんさんのバイクの後ろに乗って しゅっぱーつ!どっどっどっどっ…。ぶろろろろ〜。

風が涼しくて、とてもきもちがいい。景色が いきいきと目に飛び込んでくる。楽しいなぁ。

ひまわり畑を横切る。茶色くなってずっしりとした頭を垂れている。

「ひまわり終わったね!」と、ごはんさん。

「ね!」と、私。声が風に ふわりと乗った。

「彼岸花いっぱい咲いてるよ!」ごはんさんが言った。

緑色の中に朱色の彼岸花がたくさん咲いていた。コントラストがとてもきれい。

こもれびの森に到着。
Yさんが栗を拾っている。Oさんはお仕事中。

Yさんが拾った栗と銀杏をくれた。

「Yさん、みるさん栗拾いするの楽しみにしてたんですよ。この前、栗の取り出し方教えてあげたから。」と、ごはんさんが言ってくれた。

「そうだったん?じゃ、まだ枝についてるの落としてあげるよ。」と言って、Yさんが高枝切り鋏を持ってきて落としてくれた。

長靴を履いた足でイガイガを むきっとする。中から大きな まるまるした栗が出てきた。手にとって じっと見る。つやつやだ。可愛い。楽しい。今日も袋にたくさん拾った。

次に銀杏を拾う。ブリキのバケツにカランカランと銀杏を入れてゆく。Yさんがバケツに水と銀杏を入れて、ごはんさんの銀杏剥き器(?)で ぐるぐる回して実を剥いてゆく。おもしろい。

ごはんさんが脚立を梯子のように伸ばして建物の屋根に立てかけ、迫り出した高い木の枝を切ってゆく。かなり高い場所なので見ていてハラハラした。

こもれびの森は自然がいっぱいだ。

ごはんさんが買ってくれた椎茸の菌、種駒を得意気に みんなに見せる。椎茸の軸にそっくり。Yさんが椎茸の植え付けのことを知っていた。

ごはんさんが立派なクヌギの丸太を 10本運んできてくれた。
栗の木の裏や、日陰の場所、湿度の高い場所、風の通る場所などを教えてもらいながら ごはんさんについて歩く。

「ここいいと思うんだよね。」

「この場所もいいね。」と、話す。

1月〜3月が植え付け時期なので、それまでにどこで栽培するか考えることにする。

どこに置いたとしても鹿と猪が食べに来るだろう。と、みんなが言った。そして、最初に椎茸が生えるまでに 2年かかるそうだ。2年後がとても楽しみだ。わくわく。

STIHLのチェーンソーの調子が悪いらしい。
Oさんの車で専門店に持ってゆく。

みんなが見守る中、外でチェーンソーの具合を見てくれた。直った。というか、うまく説明できないけれど、プロ用のチェーンソーなのでロボットみたい。だと思った。自分で自分の調子を良くすることができるそうだ。

その話をしている時の店員さんの表情がとても いきいきしていた。ものすごくニコニコしてうれしそうだった。その笑顔で調子の悪いものに魔法がかかりそうだ。その姿を見ながら、

「この人は心からチェーンソーを愛しているんだなぁ。」と、思った。

お礼を言って こもれびの森に戻る。

ごはんさんがチェーンソーを扱ってみる。完璧だった。Oさんが扱い方を教えてもらっている。私は使うことはないので栗を撫でたり、おそるおそる銀杏の匂いを嗅いだりしていた。

夕方になったのでそれぞれ帰路に着く。
途中でお天気雨が降った。

「また雨になったね!」と、ごはんさん。

「ね!」と、私。でも今回は すぐに止んだ。

道中で ごはんさんがおもしろいことをするので、バイクに乗ったままゲラゲラ笑った。

食事をする。ごはんさんも私も今日初めての食事。
熱々でカリカリほくほくのポテトフライを ぱくぱく食べた。とてもおいしかった。

家に帰り着く。

「やっぱバイク楽しいね〜。」ごはんさんが言った。

「うん、乗せてもらうの楽しい〜。」と、私。

どっさりの栗。来週また栗ごはんを炊こう。銀杏は茶碗蒸しに入れよう。
新鮮な銀杏は皮を剥くと つやつやして翡翠色をしている。宝石のように美しい。

昨日トッツィーから届いたコミックをパラパラめくる。少し読む。爆笑した。

夜、庭に出る。
空一面の雲。いつものように虫の大合唱にうっとり聴き惚れる。

夜のぜんぶに「おやすみ」を言う。

今日もいい一日だった。

椎茸の菌駒

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