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寂しいような ほっとするような

12月6日(金)
朝、アラームがなる前に目が覚める。
二度寝の誘惑に打ち勝ち、むくりと起き上がる。

玄関の戸を開けて朝のぜんぶに
「おはよう!」とあいさつをする。

ルーちゃんがこっちをみつめている。きゅん。
ウーちゃんとルーちゃんに
冷凍アカムシをあげる。

仕事場にこもり絵を描く。
せっせ、せっせ。せっせ、せっせ。
うん、可愛い。

修一郎の食事をお弁当仕立てにして
ふたつ作っておく。

ネパールのクリシュナさんから
写真が送られてきた。

学校の授業でメチャくん絵本が使われている。
みんな一生懸命読んでくれている。
うれしいな。

そんな子供たちの写真の合間に
カニの写真が混ざっていた。

石の間に挟まっているカニに見えるけれど
カニじゃないのかもしれない。

クリシュナさんにお返事を送る。そして、
「石の間にいるのはカニですか?」
と聞いてみる。

「カニです。」と、返事が来た。

やっぱりカニだった。
でも、なぜカニの写真を送ってくれたんだろう。

エフコープのOさんがやってきた。

「やっと雨じゃなくてうれしいです。先週は…」
と、Oさんがしゃがんで荷物を下ろしながら
手を上げた。その瞬間、

灯油缶の口にさしているポンプから
灯油が ジョボジョボ出はじめた。

「わっ!」
「きゃー!」

手を上げたときにポンプのスイッチを
入れてしまったようだ。

慌ててスイッチを切る。
玄関が灯油浸しになった。

Oh…

「すみません、すみません、僕、拭きます。」
と、慌てるOさん。

「いいよ、いいよ、それより靴の底に
 灯油がついたら大変だから
 玄関出たほうがいいよ。」
と、私。

グリーンコープさんの元気カーがやってきた。
灯油掃除はあとにしてお買い物に行く。

お金を払おうとしたら290円足りなかった。
家に帰り持ってゆく。
すると、久しぶりにUさんが来ていた。

Uさんは木曜日に通っているデイケアで
元気カーを利用している。

昨日買ったお刺身がとてもおいしかったので、
今日も買いに来たということ。
元気な姿が見れてうれしかった。

家に帰り、灯油浸しの玄関の掃除に挑む。
まず、外の蛇口に付いている
くるくるホースで灯油を洗い流そうと考える。

くるくるホースを地面に置いて蛇口を捻る。

ジャー!
ぎゃー!

ヘッドに付いているスイッチを
入れたままにしていた。
ヘッドが地面で暴れながら
水を撒き散らしている。

頭から足まで水浸しになってしまった。寒い。

着替えたかったが、
ともかく灯油を掃除してからだ。

玄関は灯油浸し。
私は水浸し。

なんとか掃除を終える。
ついでに玄関の引き戸も水で じゃぶじゃぶ洗う。
ちょっと楽しくなってきた。
タニクちゃんにも ちょろちょろ水をあげる。

きれいさっぱり。
乾かすために玄関の戸を開けておく。

着替える。
全く同じデザインの新しいものを着る。
何枚も同じ服を持っている。

毎日同じ服を着ているようだが、
ちゃんと洗濯をしてある
別のものを着ているのだ。

お散歩に行く。
空がきれいで うっとりする。
雲の縁が金色に輝いている。

坂道を てくてく上っていると、
ときどき会うご夫婦が下りてきた。

「車、いい色に仕上がりましたね。」
と、奥さま。

「はい、がんばりました。」と、私。

「え。自分で塗ったの?」

「はい。」

「えーっ。
 結局、塗装屋さんに頼んだと思ってた。
 きれいに塗れているから。」
と、ご夫婦でびっくりしている。

私もびっくりした。
そこまできれいには塗れていない。
でもうれしい。

別れ際、
「気をつけてね。」と、
いつも優しく言ってくれる。

てくてく歩いて帰っていると、Yさんに会った。

「銀杏あります?」と、私。

Yさんは毎年銀杏をたくさん拾って
私にもお裾分けしてくれていたので
声をかけていなかった。

「ない。今年は拾わんかったたい。」と、Yさん。

「こもれびの森で
 ごはんさんと銀杏拾ったんです。」
と言って家に帰り、
小分けにした最後の 1袋を手渡した。

とても喜んでくれた。あげ甲斐がある。
そして、Yさんがお庭になった みかんをくれた。
Yさんの みかんは甘ずっぱくておいしい。

Yさんと話していると、ごはんさんが帰ってきた。
Yさんがうれしそうに
ごはんさんに お礼を言っている。

ごはんさんと話す。

先週拾った銀杏をYOさんが皮を剥き乾かし
こもれびの森に置いてあるということ。

すごいタイミング。
最後の 1袋が無くなったと思ったら
新しくやってきた。

夕方、ごはんさんと こもれびの森へ行く。

「また、誰かにあげれるね〜。」
と、ふたりで話す。

月がカナリア色に輝いている。
空が笑っているみたい。きれい。

こもれびの森に到着。
銀杏が入った袋を持ってみる。ずっしり。

地面にまだたくさん落ちている。
葉っぱもほとんど落ちている。
ということは、次に拾うと終わりということだ。
寂しいような、ほっとするような。

こんなに銀杏を拾ったのは生まれて初めてだ。

食事をして家に帰る。

「みるさん、オリオン座。」
と、ごはんさんが言った。

夜空を見上げると
オリオン座がキラキラ輝いていた。
台形の中の大星団も見える。
あぁ、素敵。なんてきれいなんだろう。
透明な輝き。

イルミネーションのカラフルな輝きもきれい。

夜のぜんぶに「おやすみ」を言う。

今日もいい一日だった。

一生懸命読んでくれている。
こちらも一生懸命。
カニ

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