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地球の表面に立っているんだな

1月15日(水)
朝、10分おきにセットしたアラームの
3回目で目を覚ます。

ファンヒーターのスイッチを押して
むくりと起き上がる。

玄関の戸を開けて朝のぜんぶに
「おはよう!」と あいさつをする。

ウーちゃんとルーちゃんにあいさつをする。
ウーちゃんが ちゃぽんと跳ねた。

食事の支度をする。
灯油屋さんアライ商店の
ヒライさんがやってきた。

奥さまが手作りの集金袋を見せてくれた。
材料300円で作ったということ。
すごく可愛くて便利そうな集金袋だ。

毎回、手作りの品を披露してくれる。

毛糸の帽子だったり、マフラーだったり、
ポシェットだったり…。

どれもとても可愛くて丁寧に作られている。

そして、聞いていないのだけど
必ずいくらで作れたかを教えてくれる。

安く作れていればいるほど
ヒライさんは幸せそうに見える。

「灯油といっしょに販売したらいかがですか?」
と言ってみる。

ふふふ。と、うれしそうに笑っていた。

りんごを食べる。
りんごって可愛くていい香りでうっとりする。
ずっと見ていたい。でも、食べる。

甘酸っぱくてとてもおいしい。
またうっとりする。

絵本の作画をする。

午後、ごはんさんが
リードディフューザーをくれた。
スティックタイプのルームフレグランスだ。
香りは赤ワイン。

私はこういうものに とてもうとい。
液体が入った瓶といっしょに
お寺にある大きなお線香みたいなものが
何本かついていた。

「これ、お線香?」と聞いてみる。

「いや、ちがう。ここに入れる。」

と言って、ご飯さんが瓶の蓋を開けた。
ふわっと濃く甘い香りがした。

そして、瓶の中にお線香のようなものを入れた。

赤ワインの香りがよく分からないけれど、
いちごの香りがする。おいしい香り。

この香りの中でミルクを飲むと
いちごミルクみたいになっておいしそうだ。

中に入っている液体をこぼさないように
ゆっくり歩いて持って帰る。

こういうものって、
”餃子の香り” とか ”おでんの香り”って
ないなぁと思う。あるのかな。
香りでご飯がすすみそうだけど。

どこに置こうかな。
お部屋に置いて香りが充満したところで
玄関に置く。玄関が華やかになった。

乙女な きぶんになってうれしくなる。

修一郎の食事をお弁当仕立てにして
ふたつ作っておく。

用事で植物屋さんの たかしまえんへ行く。

とても寒いので、
フード付きの赤ずきんちゃんみたいな
真っ赤なコートを羽織る。

たかしまえんに到着。

米粉バナナシフォンケーキがあった。
ふたつ買うことにする。
とても寒いことを忘れて
バナナスムージーも注文する。

車に乗り込みスムージーを ごくごく飲む。
おいしい。
でも、ものすごく寒くなった。
ぷるぷる ふるえながら少しずつ飲む。
車の暖房を最強にする。

家に帰りつき、お散歩に行く。

川だと思っていた池がいつも以上に青く見える。
空の青さを反映しているのかな。
空を映す鏡のよう。

こうやって景色を眺めていると
地球の表面に立っているんだな。と、ふと思う。

宇宙からみたらどんなに大きな建物も
どんなに小さな建物も
ぜんぶちっちゃいんだな。と、思う。

サイズというのは本当に相対的なものだ。

てくてく歩いて家に帰ると

「あっ!」
と、声がした。

キョロキョロすると、バナナさんが立っていた。
そして、

「ちょっと待ってて!」
と言って走って行った。

りんごの枯れた葉をつまみながら待っていると、
バナナさんが手に何か持って戻ってきた。

「これ、貸したげる!すごくおもしろいから!」

と言ってコミック本を手渡してくれた。
受け取って表紙を見ると、

「大東京ビンボー生活マニュアルスペシャル」
と書いてあった。

すごいタイトルのコミックだ。
初めて見た。

何度も読んだのだろう。
ちょっとくたびれている。

裏庭を見てまわる。
椎茸の原木は しんと静かにしている。
椎茸菌、増えてるのかな。
ちょっとつついてみる。

以前ごはんさんにもらった
鮮やかな黄緑色のモリムラマンネングサが
あちこちで元気に のびのびしている。
うれしくなる。

仕事部屋にこもり絵本の作画をする。
こつこつ。こつこつ。

夜、庭に出る。
飛行機が飛んできた。
星が静かに ぴかぴか輝いていた。きれい。

夜空を見上げれば
星の輝きを見ることができる。
なんて幸せなんだろう。
いつ見ても感動する。

夜のぜんぶに「おやすみ」を言う。

これから眠くなるまで絵本の作画をしよう。

今日もいい一日だった。

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