真夜中に
10月2日(水)
昨晩、真夜中にクローバーの種を蒔いた。
夕方、バナナさんと話しているときに、
「みるちゃん、またクローバーの種蒔くの?」と、しょんぼりした様子でバナナさんが言った。
「うん、こぼれ種で芽が出てくると思うけど、出なかったらまた蒔くよ。」と、私。
バナナさんはクローバー畑で四つ葉のクローバーを探すのが大好きなのだ。
「そっか、よかった。」バナナさんが笑顔になった。そして、
「今夜から雨が続くよ。」と言った。
眠る前にふと思い出した。今夜から雨…。
シャワーを浴びて、翌日の服も着て、眠る準備は万端だったが、真夜中 12時すぎに庭に出た。
暗い。少しの星明かりの下で種を蒔いた。最初は「真っ暗」と思っていたが、だんだん目が慣れてきて星明かりだけで見えるようになった。なんか楽しい。
鼻歌なんか歌いながら種を蒔いてゆく。
ほんとは蒔く時間が ちがうような気もするが、いままで雨の前に蒔くと必ず芽を出していたので大丈夫な気もする。すっかり蒔き終えて安心して眠ることにする。
朝、アラームが鳴る前に目が覚める。うとうとしながら雨降ってるかなぁと思う。むくりと起き上がる。
玄関の戸を開けて朝のぜんぶに「おはよう!」と、あいさつをする。
細い雨がサーサー降っている。よし。
今日はウーちゃんとルーちゃんにエサをあげないことにする。
昨日調子に乗ってたくさんあげすぎたのだ。おなかが まるまるしている。
たまごのサンドイッチとグラタンの用意をする。
バター、強力粉、ミルク(又は豆乳)、ブイヨン、岩塩、粗挽きブラックペッパーでホワイトソースを作る。
今日の たまごサラダには小さく刻んだピクルスを入れた。
絵本のラフを描く。
今回の絵本は食べ物がたくさん出てくる。食べ物がたくさん出てくる絵って楽しいなぁと思う。
タイトルは「いただきます」。
また英訳担当のモラー直子さんに ぶつぶつ言われそうだ。「英語にないタイトルつけて。」と。でも気にしない。えへ。
いままで描いてきた絵本にはオノマトペをたくさん使っている。英語はオノマトペが少ない。直子さんはとても苦労して英訳してくれている。
ネパール語担当のクリシュナさんはその点は楽チンらしい。ネパール語には日本語と同じくらいオノマトペが豊富なのだそう。文法も日本語と似ている。
描いている食べ物の絵を見ながら、アレルギーで限られたものだけを食べるようになって、いまではそれにすっかり慣れて、味覚や食事って習慣なんだなぁと しみじみ思った。
午後、ごはんさんと話す。
マーチを手放すことでメソメソしている私に、
「みるさん、涙が出るくらいだったらマーチ廃車するだけにして置いとくこともできますよ。」と、優しく慰めてくれた。
パオからマーチに代えるときもメソメソ泣いた。ケガをして わんわん泣いて、大根おろしが辛すぎて しくしく泣いて、りんごの木が枯れるかもしれないとポロポロ泣いて、なんだか しょっちゅう泣いているように思える。そんなことはない。
メソメソしながらマーチを手放すのだ。
仕事部屋にこもり絵本のラフを描く。
描いている途中で 1年近く空いたので、あちこち修正しながら描き進めている。なので時間がかかる。
両親から さつまいもが 2箱届いた。
とてもきれいな お芋たちがぎっしり並んでいた。おいしそう。焼き芋やタルトにしよう。楽しみだ。
夕方、キラキラと小雨が降っていた。
お散歩に行くか庭仕事をするか迷い、庭仕事にした。この雨でいろいろな植物が元気になるだろう。クローバーの芽が出て来れるように土を整えておいた方がいいと思ったのだ。
バナナさんが通りかかった。
今日も おんがっぴーのマルシェバッグを肩にかけている。半袖のTシャツを着て「寒い寒い。」と言っている。
手を止めて ちょっとおしゃべり。
暗くなったので中にはいる。
修一郎の夜食または明け方食になるのか…を用意する。
夜、庭に出る。
空一面、薄墨色の雲。虫たちの大合唱。きれいな音色に うっとりする。
夜のぜんぶに「おやすみ」を言う。
これから眠くなるまで絵本のラフを描こう。
今日もいい一日だった。
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