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宮城県からSさんがやってきた

11月10日(金)
朝、時間差でかけておいた目覚まし時計を3回消して、カカオといっしょに起きる。ご飯をあげる。

昨晩寝る前に、冷蔵庫の野菜室に入れて低温発酵させておいたパン生地を取り出す。キッチンのテーブルに置く。室温に戻すため。

修一郎に食事を用意する。
ウーちゃんとルーちゃんにエサをあげて水を換える。

今日は宮城県からSさんがやってくる。なんと、宮城から福岡のわが家まで、車でみえるという。「大阪経由で行きます。」と言っていたので、フェリーを使うのかな。と思ったりする。

午前中に到着して午後2時頃大分へ出発される予定。

雨が降っている。

2倍くらいに膨らんだ生地を成形してゆく。具を用意する。
お昼に食べれるように、ポテトとズッキーニのパンを焼く予定。

二次発酵させるためにオーブンへ入れる。

ピンポーン。
あっ、きっとSさんだ!予定していた時間ぴったり。

「は〜い!」と言って玄関の引き戸をガラッと開ける。

明るい雨が降る中、Sさんが はにかんだ様子で立っている。

「こんにちは。」と、言って ちょっともじもじしている。

「こんにちは!」と私。

「車、この駐車場に停めていいですか?」とSさん。

「どうぞどうぞ、停めてください。」と言って、玄関から外に出ると、シルバーの軽トラが停まっている。

「宮城から軽トラで来たんですか!?」と、びっくりして叫んだ。

「はい。」と、ほほえむSさん。

「フェリーで?」

「いいえ。ずっと陸路で。」

エェッ!?すごい。
軽トラで宮城県から大阪まで寄り道しながら13時間、大阪で一泊して、少し迷いながら10時間かかってわが家にたどり着いたそうだ。今、朝の10時半。ということは夜中に大阪を出発したんだ。そして、さわやかな笑顔。すごすぎる。

中に入ってもらう。

Sさんと会うのは2回目。
1回目は、4年前に絵本deえがお美術館に来てくれた。

Sさんはお仕事の関係で長い間シンガポールで暮らしていた。英語も堪能だ。
旅が好きで、私がネパールに行ったときの話をとても喜んで聞いてくれた。Sさんはまだ行ったことのないネパールに行ってみたいと言っていた。

東日本大震災が起こった時もSさんはシンガポールにいた。

震災から数年後、わが家宛にシンガポールからエアメールが届いた。知らない人だった。それがSさんだった。

「被災地に絵本を届けてくれてありがとうございます。」と綴られていた。

それ以来、手紙のやり取りをするようになった。

そして、宮城県に帰られ、4年前に美術館に来てくれた。

いろいろなお土産を持ってきてくれた中に、乾燥マツモが入っていた。ルーちゃんの大好物のマツモだ。でも、これは人が食べるマツモらしい。お吸い物とかお味噌汁、おうどんなんかに入れるとおいしいということ。

ウーパールーパーも人も食べれるマツモだったんだなぁ。と、感心する。

あれこれ お話する。

久しぶりにコーヒー豆をゴリゴリ挽く。いい香り。手に伝わる感触も心地いい。

焼きたてのパンといっしょに出す。

「修一郎にアレルギーがあるから乳製品不使用のパンなんだけど、焼きたてなのでおいしいと思います。」と言う。

「めちゃくちゃおいしい。」と言ってくれた。よかった。

焼きたてを食べれるのが、お家でパンを焼く醍醐味だな。と思う。

ごはんさんにも ひとつ持っていく。ちょうど庭に出てメダカのお世話をしていた。

「焼きたてがおいしいから、いま、食べて。」と言う。

ごはんさんは外で立ったまま、ぱくぱくと あっという間に食べた。そして、

「すごくおいしい。」と言ってくれた。よかった。

家に戻る。
修一郎も もぐもぐ食べている。よかった。

Sさんが出発する時刻になった。
外まで見送る。

雨でクローバーとりんごの木が つやつやに輝いていて、とてもきれい。晴れの日も雨の日も本当に美しい姿を見せてくれる。

「5月になったらクローバーの白い花が満開になってとってもきれいなんですよ。」と、私。

「あぁ、見たいなぁ。また来れるといいな。」と、Sさん。

そして、シルバーの軽トラに乗り込んだ。

「気をつけて。」と手を振る。Sさんが窓を開けて

「ありがとうございます!」と笑顔で手を振った。

家に入ると修一郎は寝ていた。

歯科医院に行く。
パッチテストの結果を持って。これからの治療の方針も決まる。

今日は父の誕生日。
家に帰り、落ち着いたところで ”お誕生日おめでとうメール” を送る。
元気で楽しい1年になってくれるといいなと願う。

修一郎が起きてきた。
夕食の支度をする。

友人たちから、11月8日の日記のタイトルが「収穫」で、写真がりんごの木だったから、りんごを収穫したと思って読んでいたら椎茸の収穫だった。と、メッセージなんかを送ってくれた。

大笑いした。本当にそうだ。全く気づかなかった。ずっと読んでくれている人は、みんなそう思っただろう。私は、こういうことがよくある。

今日のパンの写真も撮り忘れたので、以前焼いた似たようなパンの写真を掲載した。

夜、友人でアニマルコミュニケーターの みかさんとLINEでやり取りをする。noteを見ながらあれやこれやの会話。ものすごく楽しい。何回も笑っちゃう。

私のnoteを続けて読んでいたら、焼き芋とりんごが食べたくなって、りんごを買いに行ったという。爆笑。そのきもち、すごくわかる。

みかさんはいつもとても忙しい。私も今は〆切がある。でも、こういうひとときって本当に大事でうれしくて楽しい。優しいきもちを交換できるような時間。

近くても遠くても、まわりにいてくれる人みんな、その友情や愛情にほんの少しの取引も駆け引きもない。と感じる。純粋に楽しい ”とき” を共有できる。優しく素敵な人たちに囲まれて私はとても恵まれている。すべてに感謝したいきもちだ。

夜、庭に出る。
風が強い。ザザ、ザザザという木の葉が風に揺れる音がする。音楽みたい。
流れの早い雲の隙間から星が輝いている。雲が星を覆って見えなくなってまた見える。見えなくなってまた見える。おもしろい。夜空に両手を伸ばす。幸せだ。

今日も、夜のぜんぶに「おやすみ」を言う。
明日起きたら、朝のぜんぶに「おはよう。」を言う。

友人がメールで
「私も誰もいない時はいろんなものに話しかけてます。」と書いていた。

私も誰がいてもいろいろなものに話しかけている。ごはんさんはそれを見て、

「あ、また みるさんが〇〇と話してる。妖精や。」と言ってくれる。

でも、ごはんさんも いつもいろいろなものと話している。みんな妖精だ。

noteを書いているとカカオが帰ってきた。私の仕事机の横に置いてあるプリンターの上で せっせと毛づくろいをしている。今度は膝の上に乗ってきた。

これからもう少し仕事をしよう。
そして、カカオといっしょに毛布にくるまろう。

今日もいい一日だった。

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