そう思える存在がいることは幸せなことだと感じた
1月12日(日)
朝、目が覚める。
しばらく ごろごろして
むくりと起きあがる。
玄関の戸を開けて朝のぜんぶに
「おはよう!」と あいさつをする。
ウーちゃんとルーちゃんにあいさつをする。
血色のいいピンク色。今日も元気でうれしい。
修一郎の食事をお弁当仕立てにして
ふたつ作っておく。
電話が鳴った。
友人の NAさんからだ。
渡したいものがあるので
今から来てくれるという。
NAさんは渡したいものがあるとき、
ぜったいに来てくれる。
その情熱はすごい。
どんなに止めても
台風のときに来てくれたこともあった。
30分くらいして NAさんがやってきた。
数年ぶりに会う。
ぜんぜん変わっていない。
優しくてお花みたいな人。
手を取りあって再会を喜ぶ。
「全然変わらないね!」
と、同時に言って あははと笑う。
持ってきてくれたのは
ものすごく可愛い箱に入った
お菓子の詰め合わせだった。
楽しくおしゃべりをする。
帰るとき、
「誰かのために生きられるって
幸せなことだと思うの。」
と、NAさんが言った。
「うん、そうね。
その誰かのために人生の一部分を
あげてもいいと思えるのよね。」
と、私。
そう思える人がいることは幸せなことだ。
と、感じた。
見送るとき、会えてよかったなぁと
胸があたたかくなった。
午後、ごはんさんと
こもれびの森へ しゅっぱーつ!
山の上はまだ雪化粧。きれい。
うっとり眺める。
枯れたトウモロコシ畑や
枯れた刈り取られて残った稲
枯れた草が金色に輝いている。
枯れてもきれい。
コンビニエンスストアの駐車場で
美しいセキレイが ぴょんぴょん歩いていた。
可愛いなぁ。のどかだなぁ。と、みとれる。
こもれびの森に到着。
用事をしてからお楽しみの銀杏拾い!
「ジョウビタキが来てるよ。」
と、ごはんさん。
キョロキョロする。
いたっ!
ごはんさんのすぐ近くを
ふっくらしたジョウビタキが
ちょこちょこ歩いている。
可愛い。
ごはんさんが 銀杏をぐるぐるして
あらかた皮を落とす。
水を切り袋に入れて持って帰ることにする。
空を見上げて ぐるりとまわる。
天高く聳える木々が空に吸いこまれそうだ。
深呼吸する。きもちがいい。
家に帰り着く。
ごはんさんはセメントを練りはじめた。
あちこち補強したり修理するため。
水を足したり、セメントの粉を足したり。
天ぷらの衣を作っているみたい。
その間、私は銀杏を ごしごしする。
つるつるになってゆく。
なんか、平和だ。と、しみじみ思う。
ご近所の INAさんが
はっちゃんという柴犬と通りかかった。
前回銀杏を差しあげたとき、
INAさんは過去最高の笑顔を見せてくれた。
「銀杏まだあります?」
と聞いてみる。
INAさんが、ぱっと笑顔になった。
そして、はにかみながら
「もう無い。」と言った。
2袋手渡す。
「銀杏好きなんで…。」
と、モゴモゴ言いながら そそくさと
左右のポケットに 1袋ずつ入れている。
すごく、うれしそう。
過去最長の笑顔時間だった。
はっちゃんが はっはっと言いながら
一生懸命私の足に前足をかけている。
柴犬のうれしそうな表情ってたまらなく可愛い。
作業が終わり、ごはんさんと
食事とお買い物に行く。
車の中で星雲の話になる。
それから恒星の話。
難しいけれど、とてもおもしろくて大好きな話。
「分子雲の中のガスが星になるんだよ。」
と、ごはんさんが言った。
「え。ガスが星?」
と、びっくりする私。
星間分子雲の中のガスが縮み
100万年程の時を経て
“原始星” が誕生するそうだ。
その後、星のエネルギー源である
核融合反応が始まり、
原始星は自ら輝く恒星となるということだ。
「壮大だよね。」
「宇宙ってどれだけ広いんだろうね。」
と話す。そして、
「星ってロマンがあるよね。」
と、ごはんさんが言った。
本当にいつもそう思う。
食事をする。
今日は初めてのお食事処。
炭火のまろやかなぬくもり。
ほっぺが ぽかぽかしてくる。
鉄板を敷いてもらい、その上で
バターがとろりととろける。
椎茸、エリンギ、しめじ、エノキを乗せ
岩塩をゴリゴリ挽いて振りかける。
白いご飯に乗せて
熱々を ふうふうしながら食べた。
ものすごくおいしかった。
「おいしい〜。」
「ん〜幸せ。」
と言いながら もぐもぐ食べる。
おなかも心も満たされて
お買い物をして帰路に着く。
車から降りると
夜空に煌々と月が輝いていた。
厚みのある雲が月の光に照らされている。
「あの星赤いね。」
と、ごはんさんが指差す方向を見ると
赤く輝く星がこちらを見ていた。
きれいでうっとりする。
玄関の戸を開ける前に
夜のぜんぶに「おやすみ」を言う。
これから眠くなるまで絵本の作画をしよう。
今日もいい一日だった。