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小さな冒険

10月6日(日)
朝、目が覚める。いつものように小鳥の歌声にうっとりする。むくりと起き上がる。

玄関の戸を開けて朝のぜんぶに「おはよう!」と、あいさつをする。

ウーちゃんとルーちゃんにエサをあげる。水を換える。

今日も こもれびの森に行く。
修一郎の食事を お弁当仕立てにして ふたつ作っておく。

ペットボトルホルダーにお水を入れて ごはんさんとしゅっぱーつ!

まず、いつもの天ぷら屋さんへ行く。
注文をとりにきてくれた人が知り合いだった。びっくりした。あまりにびっくりして思わず手を握る。こういうのってなんかうれしい。

椎茸が ぷりぷりだった。

「おいしいね。」

「うん、おいしいね。」と、何度も言いながら食べる。

こもれびの森に行く途中で ごはんさんの用事について行く。バイク屋さん。

私はバイクのことは分からないけれど、とてもおもしろかった。オーナーの宝物なのであろう半世紀前のカワサキのバイクたちが非売品として飾られていた。

こもれびの森に行く途中、ごはんさんがあることを聞いた。そう問われてみると少し答えに戸惑った。そして、はっとした。気づいていなかったことに気づいた瞬間だった。自分でちょっとびっくりした。

ごはんさんに正直に言ってみた。

「うん、そうやろ。みるさんの優しさで いまそうなってる。」と言って、ごはんさんがほほえんだ。優しい言葉を選んでくれているのが分かる。なんだか ほっとした。

こもれびの森に到着。
今日も立派な栗がたくさん落ちていた。

「まず栗拾いしよう!」と、ごはんさん。

「ここにあるよ!」

「こっちにもある!」

ふたりで夢中で拾う。ものすごく楽しい。いまは食べれなくなったけれど、栗を食べるのは楽しくて、拾うのはもっと楽しい。今日もどっさり拾えた。

Nさんがみえる。

用事を終えたNさんが帰ってから、また ふたりで栗拾い。

「栗拾い楽しいね。」と、私。

「うん、拾うの楽しくて食べるとおいしい。」ごはんさんもそう言った。

裏の方に行ってみる。

「びきちゃんのプールがあるよ。」と、ごはんさんが言った。

四角い容器の中で黒い カエルの びきちゃんがお風呂みたいにして浸かっていた。可愛い。おじさんぽい。

あははと笑って声をかけると、びきちゃんがスーイスイと泳いで ぴょんと跳ねた。

小高い場所にある、もう 1本の栗の木も見に行くことにする。

粘土質の急傾斜の小さな丘を上る。ごはんさんが長いカヤや、草をかき分けながら上ってゆく。そのあとをついてゆく。冒険みたいだ。

栗を探したり、遠くを眺めたあと、鹿が作った道を下る。ここも急傾斜。鹿の足跡がたくさんついている。

大きなシダをかき分けながら進む。シダのいい香りに包まれる。美しい苔がたくさん生えていて雑木林の中に竹が少し混ざっている。隙間から光が漏れてとても美しい。もののけ姫の森みたい。素敵すぎる。

絵本の中に出てきそうだ。いつの間にか心に刻まれた情景が、いつか絵や絵本の中に現れてくるんだろうなぁと思った。

いまは水が流れていない小川を見る。ここにもカエルの びきちゃんたちがいる。

あちこち探検する。夏休みの子供みたい。とても楽しい。秘境好きの私にはたまらない。あーおもしろい。

長靴がドロドロになった。水道で じゃーじゃー洗う。長靴って便利だ。

ごはんさんのご友人 Kさん宅に栗をお裾分けに行く。
駐車場で話す。Kさんも冗談ばかり言う人だ。ごはんさんとKさんがおもしろいことばかり言うので、ずっとゲラゲラ笑っていた。

いつものお店でお買い物をして帰路に着く。

家に帰り着くとちょうど雨が降ってきた。

夜、庭に出る。
雨がじゃんじゃん降っている。

夜のぜんぶに「おやすみ」を言う。

今日もいい一日だった。

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