おっさんだけど、仕事辞めて北海道でチャリ旅するよ\(^o^)/ Vol,20 アレ
2024 0726 Fri
2023年6月1日からスタートした半年弱におよぶアジア周遊旅行。まったくそんな予定が無かったにもかかわらず、“青い空が見たい” という理由だけで急遽、中央アジアを巡りことになりました。具体的にはウズベキスタン、タジキスタン、キルギスの3カ国です。
バックパッカーとしてマインドフルオープンだった当時のわたしは、これらの国の現地の方々にバンバン話し掛けていたのですが、そんななかでも話しづらい話題というのはありました。中央アジアでセンシティブな話題と言えば…。いろいろあるでしょうが、わたしは対露感情に注目していました。
ソビエト連邦時代、ソビエト連邦の一構成国であった中央アジアの国々。ソビエト連邦崩壊後に独立し、現在に至ります。2022年2月から始まったウクライナ侵攻を経て…。現在、彼らはロシアのことをどう考えているのでしょうか?
英語が喋れないなりに話し、現地語がわからないなりに交流していると、バックパッカーとしてなんとなく勘が働くようになってきます。いま、この人はなにを喋っているのか? この人はどういうつもりなのか? この人はヤバい人間かどうか…? そんなバックパッカーとしての勘を頼りに、大丈夫そうなタイミングを見計らって、可能な限り多くの人に、わたしはロシアについて尋ねました。
「あのクルマはヤバいよ! …ロシア製だからね」
だいたいが定番のLADAジョークから入ります。
「ロシアに悪い印象はないよ。…そんなにはね」
くらいの感じなんですね、意外なことに。どうも「ロシアが文明をもたらした」。そういう風にとらえているらしいですね、多くの中央アジア国民は。
「どっちが正義とか、そんなの知らないよ。…だいたいが内戦なんだから」
というのがウクライナ侵攻の捉え方です。もちろん、これには個人差があるでしょうし、わたしが聞いた限りの非常に限定的な意見ですが…。
そして、これは非常に重要かつ基本的な事実なのですが、立ち位置によってすべてのモノの見方が違ってくるということを、わたしは改めて考えさせられました。極端に言えば、国と国との争いに、良いも悪いも無いのです。あるのは、立場の違いだけ…。
根室駅のコインロッカーに荷物を預け、空身となったR仕様の自転車で、わたしは納沙布岬を目指しました。
アップダウンもほとんどなく、順調に飛ばすわたし。途中途中にある「北方領土は我が国固有の領土です」などの看板が、この地が領土問題の最前線であることを知らせてくれます。
やがて、納沙布岬に到着しました。…想像通りの感じですね。そして、ある意味で楽しみにしていた北方領土資料館に入館しました。わたしにだってそれなりの主義主張はありますが、この館の見学については、完全にミーハーな感じでした。
“こっから見えるのが歯舞諸島か…”
“国後島ってこんなに近くてデカいんやな…”
とか、そんなレベルの話です。
しかし…。わたしはあることに引っかかりました。別にそれが日本国の選択であり根室市が受け入れたことですから、仕方がないと言えば仕方がないし、部外者のわたしにとってはどうでもイイっちゃどうでもイイ。でも、興が乗ったと言いますか、意地悪かつ野次馬根性が顔を出したと言いますか…。
「もし教えていただけるようでしたら教えていただきたいのですが…。なぜこの館やそこの広場には、日本国旗が見当たらないのですか?」
50歳は超えているであろう受付の男性は、そんなわたしのいきなりの問い掛けに淀みなく応えました。
「国旗掲揚の機械が壊れているからですよ。ええ、それだけのことです」
ざっと画像検索しただけですが、少なくとも15年以上は故障し続けているみたいですね、国旗掲揚の機械が…。そもそも、国旗掲揚する機械ってなんやねん?
いろいろアレなアレはありますが…。
そんで、いろんな意見があるのは当たり前ですし、それが普通ですし、自然です。
でもしかし…。
いやはや、アレですね…。
戦争に負けるって、こういうことなんですかね…?