下着だって自分の表現のひとつ

特別支援教育の分野で活躍する研究者さんがTwitterで、「レース以外の下着の選択肢が欲しい」とつぶやかれていた。

私は下着を買うのが趣味だった時期があるので、反応せずにはいられず、自己満足だけどこのノートでおすすめや、思うことを書いてみようと思う。


実は20年前は、「レース以外の下着」がワコールでも、トリンプでも、ピーチジョンですら買えた。

ピタT(小さなシャツ)やスキニージーンズ、ヒップハングなど、ファッションの流行に合わせて「Tシャツブラ」「波ブラ」などのネーミングで、サテンやモダールでてきた、レース不使用の下着は割とメジャーに並んでいた。

女性誌の特集がギャルファッションから、モテファッションに変わり始めたころから、下着も同じようにレースとリボンとお花の激甘デザインに変わっていったと思う。これはナプキンなどの生理用品でもそうだ。

その幼稚さが気に入らなかった私は、社会人になってイタリアやフランスの下着を買うようになった。

同じようにレースがついていても、ソフィア・ローレンのようにセクシーだったり、ブリジット・バルドーのようにコケティッシュだったり、外国製の下着を身につけた自分の身体がとても好きだった。

当時、そこまでお給料をもらっていなかったけれど、2万円、3万円のお金を下着に投入する余裕がOLの私にもあった。今ではとうてい「身にそぐわない贅沢」だろう。

「安価で幼稚な下着」が並びつづける様子は、この国の成長が止まり続けていること、女性が抑圧され続けていることの末端の証かもしれない。

ところで、「レースがない下着を選びたい」というのは、性的な自分ではなく、シンプルで健康的な人間としての自分を表現したいのだ、という気持ちととらえ(決してコンフォートで安価なユニクロのようなものだけを望んでいないと想定して)、思いつくものをいくつか提案してみたいと思う。

1. Tシャツブラはまだ生きていた(ワコール・ピーチジョン)

注)内側に柄のない黒のラインナップがあるようです。

ワイヤー入りのものは補正力があるので、服を着たとき身体のラインが綺麗にみえます。

2. コンフォートでおしゃれ(RIG underware、かぐれ)

この2つのブランドは、コットンやシルク素材が使用されていて、シンプルなデザインが魅力的です。RIGはおしゃれなセレクトショップなどで売られています。また、丸の内のかぐれのお店は静かで癒されるのでおすすめです。


3. 桃ブラと桃パンツ(ブラデリスニューヨーク)

補正下着のメーカーで、「育乳」などの言葉には抵抗感が(私には)ありますが、ノンワイヤーでホールド力のある点で選択肢のひとつかなぁ、と思います。

4. コンフォート、カラーバリエーション豊富なスロギー(トリンプ)

スロギーは伸縮性や快適さが売りのグローバルブランドで、日本ではトリンプが販売しています。安価なラインナップもあり、イオンなどスーパーでも手に入るので便利です。

5. レースだけど、幼稚ではない(kiya)

kiyaは日本のランジェリーメーカーで、下着専門店などで取り扱われています。レースは使われていますが、過剰ではなく、抵抗感が薄いように思います。マッチングボトムにボーイレッグがあります。レースは伸縮性があり、通気性がある素材なので、身体にフィットし、下着の機能を高めるものでもあります。

6. ご褒美(ERES)

フランスのランジェリーブランドERESは、以前伊勢丹新宿店などで展開していました。シンプルで孤高のエレガンスが感じられるデザインが魅力です。ただし、スーツ1着、無難なバッグ1、2個が買えるくらいの値段ですので、コレクターや、こだわりのある方以外には受け入れがたいかもしれません。

7. エシカル(スキンアウェア)

スキンアウェアは、オーガニックコットンや自然な染色、フェアトレードなどに取り組むブランドで、着心地の良さや色合いの優しさが魅力的です。私の下着知識は10年前くらいまでのものなので(妊娠出産子育てで疎遠になった)、エシカル、エコフレンドリーな新進のメーカーの知識が薄いです。スキンアウェアのようなブランド、ベンチャーアパレルなど、探せばきっともっとあるのでしょう。


心当たりをたくさん調べて、久しぶりにオタク魂が震えた。いまは全然、時間もお金も余裕がないけれど、下着は素肌に一番に身につけるもの、自分だけのための究極のこだわりを発揮でき、秘めたる自己表現、自己実現と思う。こころのことを考える専門家の方が興味を持つのは当然のことかもしれない。









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