生きたくなったから勝浦に行く
生きたいですね〜
みなさん最近生きたがっていますか?
私は生きたくなったので、勝浦に来ています。
友達と話しているときに「温泉地チャート」なる画像を見せてもらった。自分が当てはまったのは「房総半島」だった。
房総半島って言っても広いしな〜と思い、どうやって検索したかはもう思い出せないが、「じゃあ勝浦の宿をとろう」と思い1泊だけ予約した。
新木場から上総一ノ宮(かずさいちのみや)駅、そこから勝浦駅まで、在来線を乗り継いで3時間以上の移動。
途中から外が田んぼだらけになり、途中から扉がボタン式で開閉するようになり、どんどんと東京から離れていく感覚。
乗り慣れていない線の聞き慣れない駅名を眺めながら勝浦に到着した。
宿までは歩いて15分くらいなのでドンドコ歩いていく。駅から降りる人は少なかった。
実は勝浦に来るまで、自分で予約したにも関わらず「こんなところに来ていいのかな」と思っていた。仕事もちょっとあるし、なにより精神の具合があまりよくないし、どうにも「旅に出るゾ♪」という気分にはなれなかった。
曇天も相待って、「ここにいていいのか」という気分がどんどん高まっていく。
自分で予約したはずなのに、どうしてこんな気分になっているのか。
お店はあるんだけど、ほとんど閉まっている。そもそも普段やっているのかどうか分からないお店ばかりで、ちょっと不安になってくる。
そうしてトコトコと歩いていると、宿に到着した。
松の家という旅館。国登録有形文化財として江戸末期(江戸末期?!)から営業しているらしい。
チェックインしたら優しいお兄さんが案内してくださって、貸切風呂の時間やお夕飯の時間について、とんとんと決まった。
お部屋に案内してもらった。
とにかく渋くてこじんまりとしていて、滞在以外に何もできないような空間。今日はここで寝るんだ…とちょっとだけ、ほんの少しだけ浮ついた心を自覚する。
お夕飯を17:30に決めたので、それまで外を少し散歩する。
歯ブラシを持ってくるのを忘れたので、ちょっと遠くにあるセブンまで歩く。
家みたいなセブンに到着し、お風呂上がりに飲む牛乳や飲み物、目的の歯ブラシセットを買い、外に出る。
まだご飯まで全然時間があるので、海辺まで歩こうと思う。
地図をなんとなく見ながら海の方へと歩いていく。
漁港があるので海辺には近づけず、どうしようかな〜と思いながら歩いていたらちょっとだけ海が見えるところに着いた。
遠くで漁師のおじさんが喋っているのが聞こえる。もう少しで夕暮れ時になる。波の音と、おじさんの声だけが聞こえる。釣りをしている人もいる。
なんでこんなところに自分はいるんだろう…とまだ私は思っていた。
どうしてもまだ、旅を楽しもうという気分にはなっていないようだった。街の寂しさが私の孤独を少し加速させた。おセンチな気持ち。
なんか切なくなっちゃったなぁ〜と思いながら、宿に戻ることにした。
この文章を書いているうちに、17:30になり、お夕飯が運ばれてきた。
これ全部で1人分のお夕飯らしい。多すぎる。富。
こんな豪華なお刺身や塩焼き、カレイ(ヒラメ?)の天ぷらたちのお夕飯と朝ごはん付きでそんなに高くない価格だったのでさすがに驚いた。
「1時間後に下げに来ますね〜」と言われたんだけど、「1時間で食べられるのか?!」と少し不安になった。
結果、食べられた。おひつのごはんも結構食べた。
おなかがはちきれそう。
おなかがいっぱいで動けない。
家では、なんだか気持ちが停滞して体が動かなかったんだけど、今現在のわたくしはおなかがいっぱいで動けない。こんなに幸せなことあるかな。
違うタイプの“動けなさ”を感じて、少しだけ、気持ちが楽になった。超幸せってわけではない。
だけど、頑張って身体を動かしてこんな遠くにまで来ておなかを膨らませている自分が少しおかしくて、ちょっとだけ面白くなった。
ご飯を食べ終わってお風呂に入ってこの文章を書いています。
明日の朝ごはんまでにおなかがすくのかどうかが怪しいです。
お風呂の鏡に映った浴衣を着た自分が力士すぎて笑ってしまった。
愚かだけど豊かな肉の塊としてまだ生きてる。
なんにも成せてないけど、こんな人間だけど1人で宿に泊まることが出来る。
1人ぼっちは寂しいけど、この文章を誰かが読んでくれてるのかもって思うと、少し元気になります。読んでくれてありがとう。
みなさん生きたがってますか〜
全部終わりにしたいって思っても、どこかにあなたが泊まる宿が存在するから希望を捨てないでね。
それを伝えたくてこのnoteを書きました。
自分に伝えたくて書いている節もあります。
旅に出なくても大丈夫です。遠くに行かなくても大丈夫。
今ここで呼吸して生活のために生きている、それだけですごい。
がんばろうね!(生きてるだけで、私もあなたもえらい!)