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会社に怪文書が届いたら

2021年の出来事ですが、未だに私の中で消化できていない事件があります。
書いたら、少しは頭の整理がつくかなと思いながら書き始めています。

私の職場は、当時、所属していた1つのチームが物理的に2つに分かれていました。
本部スタッフ3名&課長、サテライトオフィススタッフ4名という体制です。

私はサテライトオフィスに勤務するほうのメンバーで、育休から復帰したばかり。他のスタッフも育休前とは面々が変わって、ほぼ「初めまして」の人ばかりでしたが、4月~夏頃まではみんな仲良く、定期的に合同ミーティングなども開きながら楽しくチーム運営ができていました。

事件が起きたのは、その年の9月頃(と聞いています)。
本部チームの若手職員(若林さんとします)宛に、一通の封書が届きました。

そこには1枚の手紙が入っていて、「若林は不倫をしている。それで私も流産した。私は若林を許さない」という内容の文書が書かれていたそうです。

書かれていた内容が事実かどうかは分かりませんが、若林さんはその手紙にものすごくショックを受けたそうです。
そして、そこから、彼女の「犯人捜し」が始まりました。

私はこの一連の話を、4か月以上が経過してから、課長を通じて聞かされたので、実際の彼女の様子は知る由もありません。

彼女は、最終的に、私を犯人と結論づけました。

私を犯人だと思った理由は、
・手紙が届く約1か月ほど前に、私と若林さんで一緒に担当していたプロジェクトでトラブルがあり、同じチームの先輩(村上さんとします)を怒らせた。→村上さんを怒らせたことについて、私が若林さんを恨んでいるに違いない!
・手紙が届く1週間くらい前から、私が若林さんと電話やメールをしなくなった。→私が犯人だからに違いない!
だそうです。

私は犯人ではありません。

確かに言われてみれば、若林さんと一緒に担当したプロジェクトで小さなトラブルはありましたが、お客さんに迷惑をかけるような事案ではなかったし、怒らせてしまった村上先輩も、最終的には許してくれたので、「次から気を付けよう」くらいにしか考えていませんでした。

というか、トラブルで怒らせたのは村上先輩なんだから、犯人の可能性は村上先輩のほうが高くないのか?
それに、文書の内容。
私が書いたとしたら、若林さんの不倫相手は私の夫?(笑)

ほかにもいろいろ気になる点はありますが、とにかく、若林さんは、私を犯人と決めつけ、その後4か月に渡って私を避け続けたのでした。

私は当時、1年間の育休から復帰したばかりで、子供2人の世話と仕事の両立に駆けずり回る毎日でした。

さらに、住んでいた家を売却して新しい土地に引っ越すというプライベートでの大イベントの真っ最中で、仕事以外のときはそのことで頭がいっぱいでした。

こんなことを言うと大変失礼ですが、若林さんは、私の眼中にまったく入っていない人でした。
なので、「何かおかしいな?」と気づくのに3か月ほどかかり、でもまさか「若林さん宛に手紙が届いて、送った犯人が自分だと思われている」なんて夢にも思っていませんでしたので、4か月目に一連の出来事が明らかにされたとき、本当にびっくりしました。

問題は、私の上司である課長やチームリーダーの対応です。
私を犯人だと結論づけた若林さんに対して、「そうか、わかった。では、これからはミリーくんとは一緒に仕事をしないように調整しよう」という対応を取ったのです。

チーム内で、なんとなく空気が変だなと気づいたのが、事件が起きてから3か月以上経過した年末でした。
チームミーティングが開催されなくなる、若林さんに用があってメールや電話をしても不在といわれたりor返事がこない、「本部には極力来ないように」と課長から言われる(これは今思えば完全なパワハラです)などなど。

若林さんが私を避けているのかな?という予想はしていましたが、その原因がまったくわからず「私は彼女に一体何をしたのだろう」と年末年始もずっと悩んでいたのです。

年が明けてから我慢ができなくなった私は、一体何があったのかと課長を問いただし、「実は・・・」と話の全貌が明らかになったのです。
このとき、私以外のチームの全員が、この事件のことを知っていて、私だけが知らされていなかった。

後でチームリーダーから「誰も、あなたが犯人だとは思っていなかった」と言われましたが、だったらどうして、すぐに私に直接事情を説明し、私の言い分を聞いてくれなかったのでしょうか。

課長が、この話をもっと早く私にしてくれていたら、本当の犯人を捜す手伝いができたかもしれないし、若林さんの心身の状態も悪くならずに済んだかもしれないのに。

課長の言い分では、若林さんから「ミリーさんが犯人です。でも本人には言わないでほしい」と言われたそうで、課長はそれを「分かった」と承諾したらしいです。

はぁーーーー???です。

今ここに書きながらも、「課長って本当にバカなんだな」と怒りがこみあげてきます。

私から課長を問いただし、一連の出来事を説明されたときには、悔しくて悲しくて、震えと涙が止まりませんでした。
その日の帰りの電車で、人目もはばからずに泣きました。

ものすごいショックでしたが、一私は一切悪くないのだからと、仕事を休むことはしませんでした。が、ストレスのせいで声が1週間ほど出なくなってしまったほどです。不眠にもなりました。

若林さんとは、その後一度だけ直接話をする機会を作ってもらい、課長とチームリーダー同席のもとで「私は犯人ではない」と訴えましたが、そのときすでに彼女は精神的にかなり病んでいる感じで、私のことを、何か不思議な生き物でも見るような目で眺めていたのが印象的です。
私の言葉は全然聞こえていないんだなと感じました。

私が「証拠もないのに、私が犯人であると複数の職員に言いまわっていたことは、私への名誉棄損なので、弁護士を立てて訴えることも検討する」と言ったときに、少しだけ目を見開き、「自分が加害者である可能性」についてほんの少しだけ考えてくれたような気もしますが、彼女から、私への謝罪の言葉は最後まで一度もありませんでした。

若林さんはその後、別の部署へ異動しましたが、そこでの仕事もうまくいかず、半年ほどで退職しました。
「自分はこんなに苦しんでいるのに、何もなかったように仕事をしているミリーのことが許せない」というようなことを人事に訴えていたと噂で聞きました。

きっと、いまだに私を恨んでいるんだろうと思います。

私はどうして犯人にされてしまったのだろうか。
私は犯人ではないし、これは完全に巻き込まれ事故だと思っています。
私は悪くない。

でも、彼女も必死だったでしょう。
つらかっただろうなと思います。
静岡の実家を離れ、関西で一人暮らしをしていると言っていました。
文書は会社に届いたとはいえ、本当の犯人が分からない状況で、家で1人で過ごすのはとても怖かったことでしょう。
だから、身近な人を、「先月トラブったから」という理由だけで犯人にしたのかな。

彼女がしたことは、私自身はもうあまり気にしていません。
謝罪も求めない。
手紙のことは忘れて、元気にしてるといいなとさえ思います。

一番悲しいのは、やはり、課長はじめ、組織の対応です。
私だけが事実を知らされず、あんな結果になったのは、私のことを、少しでも犯人だと疑ったからではないのかと思ってしまいます。
組織ぐるみのいじめに遭ったような気分です。

前述のように、当時引っ越しや育児や仕事のことで一杯いっぱいで、「これ以上の面倒には巻き込まないでほしい。とにかく穏やかに仕事をしたい」と願っていた私は、弁護士相談には行きましたが、結局、若林さんのことも課長のことも訴えず、泣き寝入りしました。
(泣き寝入りする、というほどの実害も実際なかったような気もします。)
ただ、課長のことは、一生許せないです。

課長には、いつか隕石が落ちてほしいなと思っています。

↑こんな文章の終わり方・・・。
後日読み返して、推敲してみよう。

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