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成功した人ほど人助けをするのは何故か

2024年1月、能登半島で大規模な地震が発生しました。
地震により建物は崩壊し津波や土石流による被害も出ています。
被害額は2兆円を超える規模にまで達している近年でも稀に見る大災害です。

ネットではモデルや社長が多額の寄付をしたとニュースで報じられ、
またそれを否定する人も当然現れました。
この構図は今回だけではなく過去にも度々目にすることがあったと思います。
なぜ同じ社会に属しておりながら相対する価値観を持った人が同時に存在するのか
今回はその背景を思慮していきます。

寄付行為の否定理由として最もよく言われるのが売名疑惑です。
芸能人ならニュースに取り上げられる事により活躍の幅が広がり、
会社であれば絶大な広告効果により寄付金以上の売上が期待できるというものです。
つまり投資として寄付をしているのではないか、と疑惑を持つ人が出てくるわけです

もう一つは承認欲求によるものです。
寄付をすることによっていい人だとアピールがしたい、またはそれによりチヤホヤされたいと言う気持ちから巨額の寄付をしているのではと疑惑を持つ人も現れます。

ですがここで考えてみてほしいのですが、
数百万から数千万円に及ぶ寄付を、
たかが売名や承認欲求の為に投じるのは本当に賢い選択でしょうか?

既に富も名声も獲得した芸能人や社長なら
同じ日本に住んでいる以上
痛ましい災害を目の当たりにしているのであれば、いざ自分が大災害に巻き込まれた時の準備として自分や家族を守るために貯蓄に当てるのが本当に賢い選択だと私は思います。

では、なぜ成功者ほど寄付を行うのか
またなぜそれを否定したがる人が現れるのか、
それは両者の経験に基づく根本的な苦痛に対する価値観の相違があるからだと私は思います。


成功者は必ず苦痛を経験しています。
それは自己実現のための苦痛です。
モデルであれば体系を維持する苦痛、世間からの評価に常に晒されるストレスの苦痛
経営者であれば会社と向き合う苦痛や経営のために勉強を費やした経験からなる苦痛、そして巨額を自ら動かすストレスと常に向き合っています。

勉強や考えることは脳にとってストレスです。また筋トレや運動も身体に物理的なストレスを与えている。
そしてそれを乗り越え成功している。

つまり自己実現のための努力は苦痛を伴うものなのです。


一方で否定派の生活にもそれなりの苦痛があるとも思います
私にはそれがどんな苦痛なのかわかりませんが、ネットで人を否定できるほどの人格を持っているということは人生においても何らかの理不尽な苦痛を経験していることと察します。
毎日がそれなりに幸せで生きてこれている人はTwitterやヤフコメなんかでわざわざ人に文句を言おうとは思わないですよね。


では両者ともに苦痛を経験しているにも関わらず、かたや寄付をし、かたやヘイトへの行動源となってしまうのは何故か。
それは両者が受けた苦痛の構造が根本的に全く異なるからです。


先ほど成功者の苦痛は自己実現のためにあると書きましたが、
これは捉えようによっては自らが望んで受けた苦痛とも言えます。
つまりその先の幸福を求めて行動した結果もたらされたものなのです。

ですので成功者は苦痛の先には幸福が待っているという成功体験を持っており、また大げさに言えばその価値観は他人にも適応されると信じています。
苦痛の先に幸福を手に入れた人は他人が苦痛を受けた時も幸福に変えることを意味とし希望を与えるべく行動するのです。


一方で否定派の受けた理不尽な苦痛はどうでしょうか。
苦痛の先には希望などなく、永遠の苦しみが待っているということが想像に難くないと思います。
そういう経験をもとにすると、他人もそれを受けて当然で苦痛とは理不尽に平等に訪れるものだ
という考えに至るのも納得できます。
平等に訪れる無限の苦しみに手を差し伸べることに対して疑問に感じてしまう人も中には出てくるのかもしれません。
自分は苦痛と戦っているのだから、災害を受けた人も苦痛と戦い続けるべきなのだ。
と思ってしまうのかもしれません。


冒頭で説明した苦痛に対しての根本的な価値観の違いというのは苦痛の体験による違いであると言えます。
仏教の考えではこの世の中は地獄であるそうです。
そう考えて見ると苦痛で溢れ返っているようにも思います。
乗り越えて活かせる苦痛は活かせば良いですが、理不尽な苦痛からはできるだけ早く逃げるのが幸福への近道かもしれません。
一見同じ苦痛にも種類があり、深堀りしてみるとその見極めは人生において性格をも変えてしまうほどの重要な選択になるということさえ浮き彫りになりました。


そして最後にはなりますが能登半島地震の被害収縮が一刻も早く行われるよう、また被害者の苦痛が一人でも希望や幸福に変わることを願っています。




尾潟 潤


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