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「裏側を読み取って欲しい上司」と、「汲み取れない部下」の対話あるある

「どうして遅刻したの?」
「なんで失注したの?」
「電話も出ないで何してたの?」

上司として、このような言葉を部下に投げかけた経験はありませんか?
そして、部下の答えにさらに怒りが込み上げたことはありませんか?

例えば、「バスが遅延したんで」「昨晩徹夜して体調がすぐれず、寝坊してしまいました」といった答えが返ってきたらどうでしょう。
遅刻の理由は寝坊、とは素直に話さない部下もいるかもしれませんが、
失注や電話対応に関する事情は、素直に話すでしょう。例えば、「顧客先でトラブルがあって」「競合が値下げキャンペーンを行ったので」などです。

しかし、そのような理由を聞いても「そんなことを聞いているんじゃない!」と怒る上司がいるんです。
要は、理由はどうあれ「二度と遅刻しないでほしい」「反省してほしい」「早く成果を出してほしい」「重要な連絡があるとわかっていたのだから、ちゃんと対応してほしかった」ということが言いたいだけ。
結局はこういう上司は、「どうして遅刻した?」の言葉の裏を察してほしくて、「反省して、行動を改める発言」を求めているのであって、本当に何があったかの理由には興味がないんでしょうね。

一方で、部下の立場では、どんな理由を述べても怒られるのならば、「理由なんて言っても無駄だ」と感じ、ただ謝罪するだけになっていませんか?
これが続くと今度は上司が「謝ってばかりじゃわからない。理由を聞いているんだ」とさらに怒ります。
こうして、また理由を言っては怒られ、謝罪するだけ、黙ってもまた怒られるという悪循環が生まれ、信頼関係は悪化してしまいます。

また、「何度言ったら分かるんだ!」と怒っている上司も同じです。
何度言っても改善されていないなら、何度も言っていること自体が不適切なんだと思います。

上司は改善してほしい
部下も、怒られたいわけじゃないんで、改善したいんです。
ゴールは同じはずなので、違うアプローチをした方が良いでしょう。

そのメッセージが部下にとって、どれだけのプレッシャーや不安、不信につながっているか考えてみましょう。
部下は一連のこのやりとりをどう受け取めていると思いますか?
改善が進まない原因はどこにあるのかを双方で考えることが大事です。
上司だけでなく部下側も、こうした状況で、前向きな行動と結果を導くためには、黙ったり謝罪するだけでなく、どんなコミュニケーションをとれたら良いのでしょうか。

「未来×肯定」質問

「なぜ失敗したのか?」という「過去×否定」質問は、ネガティブな結果に焦点が当たり、部下には自己防衛意識が高まり、言い訳が出やすく自分の正当化に走りがちです。
たとえば「顧客の認識がずれていた」「競合が値引きしてきた」「先輩から聞いていた話と違った」など、自分に非は無いと言わんばかりに、まず環境要因ばかりを並べ、根本的な成長や改善に繋がりにくくなります。
こんなことは上司も聞きたくないんでしょう。
重要なのは、「どうしたら次は成功できるか」。未来志向で成功イメージを持たせる前向きな問いかけが大切です。

「過去×否定⇒肯定」質問

とは言え、事実何が起こっていて、二度と繰り返さないためにも要因分析は必要です。上司としては、部下に今回の敗因から、次に何をするかを自分で考え、行動に移すためのきっかけを与えることが求められます。
ダイレクトに過去否定形では、上述の通りに言い訳が先行してしまうので、
そのためには、過去の上手くいったことや、自信があるポジティブな経験と比較して、何が今回は違ったのかを考えさせる問いかけが良いでしょう。「上手くいったあのときと、何が違う?」「●●君が得意の、あのノウハウ・知識は使わなかったの?」

「未来×否定」質問

未来肯定形の質問は、とても意欲的でワクワクと成功イメージを持たせる良い質問ですが、一方であまりにも無謀に夢物語の理想論だけ考えられても、詰めが甘く、現実味を持たないこともあります。
現実的な策を練ってもらうためにも、未来に失敗しないためのリスク管理の質問をSETで行うと良いでしょう。
「最悪な事態も想定しておこう。どういう状況が考えられそう?」「悲観的に見ると、このままだと、どうなっちゃう?じゃぁ、そうならないために、どうしたら良いかな?」「失敗を回避したい。今、何が不足している?」

「未来・過去×肯定・否定」質問
この4つを全て包含した質問文があります。
読み進める前に考えてみてください。
失敗した本人に内省を促し、未来に向けてワクワクの戦術を、リスク管理とSETで考えてもらいたい際に、私は頻繁に使います。

「もし戻れるなら、どうする?」です。

受容の姿勢

いずれにせよ、まず部下の状況や感情を観察し、労いや理解を示す言葉をかけてあげましょう。
「どうした?大丈夫?」です。

大事な高価なお皿を割ってしまった子供に、怒りたい気持ちも湧きますが、まず「怪我してないか」気になりますよね。この声をかけられると、子供だってダメなことをしたのは分かってますから、「ごめんなさい」という心からの反省が出てくるんじゃないでしょうか。
これからどうしたら良いか、お互いに建設的に考えられますよね。
再度割らないためにも、これが理想だと思います。

そもそも親側も、そんなお皿を食卓に出さない。すぐ自分で片付ける。など、自分の言動を変えるのも良いでしょう。
一気にハードル高い要求をしても、子供はパンクします。
段階を踏んで出来ることから教育されていると思いますが、
ついつい自分はもちろん、身の回りのお姉ちゃんやお友達ができていることが当たり前として、要求レベルが上がってしまうんですが、
この子は何からできそうか、一緒にやっていきましょう。

職場でも似たような感じです。上司からはなかなか見えないですが、
部下が見えている世界や育った環境は異なり、上手くできない事情があって、やろうとしている意思もあります。でも上司から見えているのは、「今、失敗してしまった」結果だけです。
上司は、この背景が見えていないかもしれないので、部下もそれを伝えましょう。まだ出来ない、どうしたら良いのかを相談しましょう。

アドバイスをするなら、この心が通った状態で「YesAnd」で、情報提供をしてあげてください。
Yes・・・肯定(こないだより上手になってる。頑張ったね。よく考えてる)
And・・・もっと良くするためには、さらにこんなこともすると良いよ。

No・・・否定「ダメじゃないか!何してるの!やめなさい!」
But・・・でも、これは良いね。でも、今日は許してあげる。(結局肯定するなら、最初に肯定しましょう。否定的なワードは極力使わずAndで!)

コミュニケーションを見直すことで、チーム全体のパフォーマンスが向上されるなら、やってみる価値はあるはずです。
ちなみに、この声掛けは無料です。誰でもすぐできます!
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みるふぃーゆ
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