価値付け
転職支援のコンサルタントや、採用担当者さんから「企業の魅力」をどう訴求したら良いかというご相談をよくもらいます。
・通いやすさ
・少ない残業
・アットホームな社風
・感謝される仕事
などなど
結論からいうと、応募者ごとに「魅力」と思うかどうかは異なるわけで、その方が望んでいらっしゃるモノに対して個別性高く訴求できることが好ましいですよね。
そのため「応募者の応募軸」や、「入社先選定の意思決定軸」を正しく捉えることがとても大事になってくるので、
・それって何なのか?
・どうやって把握できるのか?
を人事向け・面接官向けの研修では展開したりしています。
(今回、ここは割愛します)
その上で、冒頭の4つを重視している内定者がいたとしましょう。
・通いやすさ
・少ない残業
・アットホームな社風
・感謝される仕事
そして、それら全てが自社でかなうとしましょう。
その内定者は、必ず自社に入社してくれると思いますか?
その可能性は高いですが
辞退されるとしたら、他にもそういう企業で内定が出ていた場合が考えられますね。
つまり、この4つを強くPUSHしても、あまり意味がなかったということ。
それは他社でもかなうので。
そこがもう1社との違い=分岐点になっていない場合、
これらが充分にかなうことを訴求した上で、
もう1社との差別化(この方が大事にしていることで、且つ他社にそれがない)ポイントをプラスで訴求しないとならないということです。
さらに深ぼります。
その上で、この2社の違いは下記の通りだったとしましょう。
A社(自社):若いうちから裁量権ある仕事ができる・実力次第でマネジメント(役職に就ける)経験が身に着く、最先端技術に触れられる
B社(他社):研修が手厚い、資格取得補助制度充実、住宅手当有り、会社の規模&知名度が高い、フルリモート勤務、年間休日130日
一般的に魅力と考えられる項目数が、B社の方が圧倒的に多い。
確かにB社の魅力は全て魅力的だと、内定者も思ったとしましょう。
他社の人事担当者や、転職支援会社のコンサルタントは、その魅力数が多いことを強くPUSHしてきます。
・研修の手厚さはどっちが上ですか?
・資格補助制度はどっちが上ですか?
・住宅手当は?
・会社の規模は?
などなど、2社の比較表を作って、どちらが上かを1つ1つ「○ ×」つけてもらい、その○の合計数で最終ジャッジを迫るような感じ。
これはとても大きなリスクをはらんでいる気がします。
冒頭の4つの魅力に比して、それ以外の魅力は、そこまで応募者が価値を感じていなければ数が多くても、大して魅力に感じないんですよね。
一瞬迷ってしまう応募者さんも、冷静になりましょう。
今の自分にとって、何が大事なのか?
人事や転職支援アドバイザーがやれることがあるならば、他社との分岐点の価値付けです。
「若いうちからこういう仕事をこれだけの裁量をもって働ける仕事って、
今のあなたにとって手厚い研修以上に大事なのでは?」と。
上手いこと言って誘導して無理に営業するわけではなく、
本質的にその方の職業観・価値観に添っていることならば、総数以上にその1点について充分に時間を割いて話し合うべきだと思います。
なので、もし○×をつけた比較表でジャッジしたいなら、
それぞれの項目ごとに重要度ランクを1~5でつけて、その掛け算をする。
より大事な項目は(重要度1の○よりも)5倍の価値として差をつけ、最終的な合計点でジャッジしたら良いかもしれません。
または重要度1・2については○でも点数に含まず、3以上の合計点で見る、など。
「誰に対してもやっている同じ魅力トーク」を進化させ
こうした「個別性高い価値訴求」ができるようになれば、応募者を深く理解している証拠の1つかなと思います。
ご参考になれば幸いです。
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