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ちょっと長めの図書紹介㉒

#Google
#セブンイレブン
#スターバックス
#星野リゾート
#マッキンゼー
#キリンビール
──ハッシュタグから始める図書紹介
その第2弾は、
『学校をおもしろくする思考法』
『学校をアップデートする思考法』である。
著者は、
あえて紹介することもない──
教育研究家・妹尾昌俊氏であり、
書籍の帯に近影が載るくらいの有名人である。
冒頭のハッシュタグに
#妹尾昌俊  を加えてもいいかもしれない。

さて、
本書は『学校を〇〇する思考法』であり、
それとハッシュタグであげた一流企業との関係
そこに疑問をもつ読者も多いだろう。
学校と企業というと
「産学官連携」的なやつのことか?!
経産省推し的な本なのか?!
──となりそうだが、そうではない。
少しずつ学校と企業をつなげていこう。

まず、「セブン-イレブンの仕事術」
その紹介から本書は始まる。
小見出し「【】」を抽出して紹介していこう。

【なぜ、セブン‐イレブンは強いのか?】
それは
〈イノベーション力〉の強さだという。

【おにぎり、お弁当、おでん、ATM、
 みんな反対の大合唱のなかから生まれた】
売れるはずない──
という周囲の大反対を〈超えていく力〉

【消費者の心理を想像して動き出す】
何かを創造するというよりも
すでにあるものを結びつける〈発想力〉

【人は過去の延長線上で考えがち】
問題意識をもった〈観察力〉が重要となる。


──前半でセブン-イレブンの価値を抽出し、
後半ではそれらを学校に適用していく。


【あなたの学校づくりはどこを見ているか】
「過去の延長線上だけで、『できない』、
『できっこない』とか
『悪いのは文科省や教育委員会だ』と
 捉えてはいないでしょうか」(p.28)──
学校でよく聞くアレである。
前例がないからやらない(変えない・問題ない)
上からの通知がないから動かない(動けない)
というような前例踏襲主義に待ったをかける。
そのうえで

【世のなかにあるものを
 よく観察して、組み合わせる】
「校内外をよく観察し」(p.30)
現状の資源を確認して分析すること
そしてそれらの組み合わせが
イノベーションを生んでいく。
 → 〈観察力・発想力・イノベーション力〉

【反対意見が多いなかでも、
 ぶれない軸をもつ】
それは「頑固なのでは」なく、
「顧客視点、顧客起点で徹底的に考え」た結果
であることが「強く」軸になる(pp.31-32)
子ども目線、教職員目線、地域目線に
つなげていくことが重要でぶれない軸になる。
 → 〈超えていく力〉

【やってみたうえで検証する】
終始「できない」ではなく、
「やってみて」しっかり「検証する」
学校評価制度につながる発想である。

【データを過信しない】
しかし、
保護者アンケートなどの評価に
一喜一憂しないとも換言できるだろう。

【好循環サイクルをつくる】
以上のような
セブンイレブンの実践サイクルは
ポイントを抽出し、変換することで
学校にも適用できることは多く、
それが教育活動の
水準向上にもつながるだろう。
このような妹尾氏の提案が読める本なのだ。

では、続けてスターバックスの……と
いきたいところだが、
それは2冊の書籍で確認してほしい。
また、一流企業だけではなく
ひとりの公務員が果たした仕事や
史実、書籍などから抽出できる思考法が
盛りだくさんに詰まっている。

ここでは
その中身が想像できそうでできない、
気になる見出しだけを紹介しておくので
ワクワクした気持ちが覚めないうちに
ぜひとも読んでほしい2冊である。
ひとつひとつの話題が
ミニ校内研修のネタにもなるだろうし、
校長会や教頭会、事務職員会などでも
ワークショップのお供となるだろう。
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・ミシュランガイドはなぜ生まれたのか
・はみ出し公務員の挑戦(政策イノベーション)
・ヤマト運輸も問い直す、仕事の意味
・スターバックスの低迷と再生
・広告のない雑誌「暮しの手帖」
・Amazonが小売の覇者になった理由
・トップ棋士の学び続ける力
・大人の学びの「7つの行動」
・失敗の科学──失敗から学ぶ業界
・Google流マネジャーの育て方
・星野リゾート──結果よりプロセス
・マッキンゼー──思考力とリーダーシップ
・クリエイティブな時間を生み出す
・マシュマロゲームが投げかけるもの
・史記とコレクティブ・ジーニアス
・ガチ対話による組織開発のススメ
・キリンビール──脱 指示待ち組織
・変化を嫌う人を動かすには
・改革ごっこは要らない
・エッセンシャル思考
・エフォートレス思考
・アンラーニングとアップデート
・教室マルトリートメント
・やりすぎ教育
・「多様性」の科学
・両利きの経営
・学校は心理的安全な場になっているか?
・パワハラ上司を科学する
・ピクサーの創造する力
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編集担当・若染雄太さま、
ご恵贈ありがとうございます。
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https://www.gakuji.co.jp/senoomasatoshi

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