テスト前の先手指導【早く帰る教師術】
採点基準を先に伝えておかないと、生徒は問題を正しく答えていたつもりが、不正解となる場合があります。
「合っていたのに・・・」と生徒はガッカリします。生徒も保護者も口には出しませんが、「先生、先に伝えておいてよ。または問題文に書いておいてよ。」と内心思うこともあるでしょう。
場合によっては、クレームがきて保護者対応することになったり、全員一律で正解にする処置を行ったりとバタバタします。
一番の損失は信用を失うことです。
成績に関わるテストなので、生徒や保護者以上に、教師がテスト作りや採点基準についてシビアになる必要があるのです。
■早く帰る教師術とは、先手指導のこと。
少し、僕の書くNOTEのテーマを話します。
学校でトラブルが発生すると、教師の勤務時間は長くなります。
生徒指導や家庭連絡、家庭訪問、再発防止案の作成と発表、臨時学年打ち合わせなどの臨時イベントに時間がかかるのです。
起きるであろうトラブルを先に教師が予想して、先手で指導していくこと。すなわち、防げるトラブルを防ぐ術こそ、早く帰る教師術です。
同時多発テロ的に起きるトラブルの火消しに奔走する”後手指導”はしたくない。指導する方も、指導される方も良い気はしないから。
トラブルの火種を作らないようにすることに注力します。
この記事では、僕が中1の初テスト前に行っている ”先手指導” について書いています。
紛らわしい解答は × にする
あらかじめ言い切ります。僕は数学の先生ですが、紛らわしい具体的な解答あるあるをテスト前の授業で説明します。
▼その1
-(マイマス)がついているか、ついていないか分からない問題。
▼その2
どっちとも読める問題
0か6か分からない。9か a か分からない。数字や文字の区別がつくように書きましょう。
テスト返却時の、生徒の「先生!よく見てください。ちゃんと答えてますよ!」という紛らわしい解答についての不毛な議論を防止することが目的です。
また授業中に、納得感のある説明をすることも大切です。
先生「真ん中はなんですか。」
生徒「13です。」
次に、A と Cを黒板に書き、13以外消します。
先生「では、この真ん中は?」
人間の脳は賢いので、周りの情景から、文字や数字を識別します。
同じ形でも、13と読みたかったら、13になるし、Bと読みたかったら B になるのです。
答えが0の問題で、生徒が上記ような6に見える数字を書いていたとき、僕は「きっと、この子は0と書いたのだろうな」と思います。
が、しかし、紛らわしいものは一律、不正解とすることをあからじめ生徒に伝えておいたので、× にします。
一番ダメなのは、「あの子は紛らわしくても正解だったのに、私は紛らわしいものは不正解だった」という生徒によって採点の基準に差が生じ、不公平感を感じさせてしまうことなのです。
■経験と予知で仕事が上手くいく。
自分が教師になりたてのころは後手指導ばかりの毎日でした。対応により、勤務時間が長くなり、心身ともに疲労していました。
しかし、教師歴が長くなるにつれて、経験値を得て、トラブルを予知することができるようになりました。
トラブルの予知ができると先手指導ができます。
なんでもかんでも、先生が先回りをして先手指導をしすぎると、生徒は嫌気をさすので、タイミングと言葉選びが大切です。
しかし指導にミスがあると、保護者から訴えられたり、マスコミが新聞に載せたりするご時世なので、トラブル防止の先手指導は教師の必須のスキルだと思っています。
■仕事が辛い新任教員の方へ
トラブルが絶えないを月~金で、苦しい思いをしている新任の先生へ。
経験値が溜まり、先手指導ができるようになると、いくつかのトラブルを防ぐことができます。
そもそもトラブルが起きて、生徒とぶつかっているということは、生徒指導をしようとしている証拠です。
生徒とぶつかることを避けて、トラブルの火種を見て見ぬフリする教員に、成長はありません。
生徒指導が起きて、自分自身が良かったと思うことは経験値が自分に蓄積されたことです。この経験値は書籍では学べません。
自分に矢印を向けて
と考えるきっかけとなるからです。
生徒指導を経て成長するのは生徒だけではないのです。
そして、もう1つ生徒指導が起きて良かったと思うことは、同僚の先生と飲む お酒が美味しくなることですね!
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