君の「大丈夫」になりたい。〜映画『天気の子』で感じた、新海誠の「勇気」の伝え方〜

今回始めての投稿になる晴雲(はれくも)アメと申します。

高校3年生で、現在大学受験真っ只中ではありますが、自分の気持ちをどう言葉に乗せたら、他の誰かに届くことができるのだろうかと思い、練習としてこのnoteを始めてみました。所々読みにくいところがあるかもしれませんが、精一杯綴らせて頂きます。

10月22日。世間は天皇さまの「即位礼正殿の儀」行われている中、僕は初めて新海誠監督最新作となる映画『天気の子』をやっとの想いで鑑賞することが出来ました。この夏は受験勉強に追われていたので、勉強のペースを崩さないようにと自粛をしていたのですが、先日学校での中間考査が終わり、少し落ち着いた頃にこのような休日があったことを思い出し、息抜きということで今年初の映画館に向かいました。

向かった映画館のスクリーンは少し小さく、話題の作品を観るのには少し物足りない位の大きさだったので少し不安だったのですが、そのような不安は、開始直後の空のタッチを見た瞬間吹き飛びました。

新海誠監督の真骨頂とも言える今回の見どころである空は、異常気象でずっと雨が降り続く東京の景色を本当に見ているかのような鮮明さで、雨の日に起こる独特な心のどんよりさが少し伝わったほどでした。しかし、「100%の晴れ女」と言われる少女・陽菜が起こす快晴は本当に綺羅びやかで、わあと心の声が思わず漏れてしまうほど綺麗なものでした。

先述したよう、劇中の東京は記録的な大雨が長く続き、人々は長い間晴れを見ていない状態でした。そんな中、帆高は陽菜の不思議な力を使って「晴れ」を提供する仕事を立ち上げます。大事な日を晴れにしてほしいと様々な依頼が彼らのもとに届き、陽菜は自分の力が人の役に立てていることに気づき、この仕事を続けたいと思うのですが、マスコミの的になり一時休業することに。しかし、陽菜はこの時とんでもないことが身体に起こっていることを帆高に告白することになります。

今回のキャッチコピーは「これは、僕と彼女だけが知っている世界の秘密についての物語」

雨が降り続くこの東京を、異常気象な世界を、陽菜の心をどう変えるのか。ここが最大の魅力なのだと感じました。

でも何かを変えるのには「勇気」が必要で、今回の作品では一人ひとりが勇気を与え、与えられる表情や言葉が合わさって、僕らに新たな「勇気」を与えてくれたのではないかと僕は感じました。

それが一番良くわかるのが、野田洋次郎が歌い上げる『大丈夫(movie edit)』が流れるシーン。

誰かを大丈夫にするのではなく、その人の大丈夫になりたいと訴えるこの歌詞には、映画を見る前からサントラを耳にしていた僕も胸が熱くなるほどでした。

勿論、誰かを大丈夫にするのさえも難しいのに、その人が後ろを向かないよう、その人の大丈夫になるということにはもっと難しい事なのに、帆高が陽菜に自分の思いを一生懸命叫ぶこのシーンは必ず見てほしいと思います。

自分も今大切な人がいます。その人の大丈夫になれるよう、まず自分のことを精一杯全力を注ぎ、必ず来年桜が咲けるよう頑張ろうと改めて思いました。

前作の『君の名は。』を超越する作品を作り上げてくださった新海誠監督。陽菜のために、自分のために全力に自分と向き合った帆高に息を吹き込んでくださった醍醐虎汰朗さん。気象を変え、帆高を変え、更に自分を変えた陽菜に息を吹き込んでくださった森七菜さん。本当に心温まる作品を世に送り出していただきありがとうございました。


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