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「嫌われたくない」と思っている限り、マジで仲良くはなれない
嘘のような本当の話だけど、永遠の17歳である、わたしの誕生日は7月17日だ。
そして、これまた嘘のような本当の話だけど、わたしの親友の誕生日は7月13日だ。
同い年で、生まれた病院も一緒。おそらくベイビー時代には一緒に並べられていた時期もあったかもしれない。
でも、別に幼馴染でも何でもなく、彼女は一度地元を離れ、小学3年生のときにわたしの小学校に転入してきて、そこで出会った。
だからこそ、当時は「この人は運命の人だなぁ!」なんて思っていた。
小さいときって、やたら「運命」という言葉にときめいてしまう気がする。ちゃおやりぼんの英才教育を経て、「運命」という言葉に敏感になっているのだ。
見えないけれど赤い糸はあるし、前世の生まれ変わりだってきっとある。それが、ふたりを結ぶ「お約束」みたいなもので。
彼氏彼女という言葉に縁のない小学生のころの女子の絆は、それこそ恋人並みに強固であり、儚くもある。休み時間ごとに一緒にトイレに行くぐらいべったりだったのに、クラスが変わった途端ばったり会わなくなったりする。複雑なのだ。
結局その親友とは一度も疎遠になることもなく、社会人になった今でも月に一度の割合で会っている。
そして誕生日が4日違いのわたしたちは、毎年この時期になると誕生日旅行に出かける。
それこそ大学生のころまではお互いに誕生日プレゼントを用意したり、ケーキやプレートを用意したりしていたけれど、もうここまで来ると何もない。
「どうせ両日とも温泉に入るし」という理由で終始すっぴんだし、誕生日旅行なのにふたりで撮った写真もほぼない。せっかくの旅行なのに夜はガールズトークに耽ることもなく、YouTubeを観て寝落ちした。
今さらだけど、本当に仲良しってこういうことなんだろうな、と思う。
別に相手が隣で何をしていようがある意味どうでも良くて、気の利いた会話をする必要もなくて、醜いところもたくさん知られていて、プレゼントをあげて仮にお返しがなくても「まぁいっか」と思えるぐらいの仲。
「好かれよう」「嫌われたくない」と思わない仲だ。
さて、どうしていきなりこんな話をしたかというと、最近大学時代の友だちに、「◯◯ちゃんが、大学時代と比べて良い意味でゆぴの印象変わったって言ってたよ〜」みたいなことを言われたからだ。
ちなみに、大学時代は八方美人というか、「嫌われないようにしなくちゃな」と思っていたので、どんなにダルい飲み会でも頑張って参加していたり、面白くない話にもなんとなく笑っていた節がある。
それって、どうしてだっけ…と思ったら、うちのサークルの特性上の問題だった。
うちはバンドサークルだけど、毎月組む相手が変わる。だからこそ「絶対にあぶれたくない‼︎」という思いが強すぎて、せめて誰にも嫌われないように無難に過ごしていた。
バンドを組むのは結構大変だ。まずボーカルがいて、やりたいアーティストがあって、それに賛同してくれるギタリスト、ベーシスト、キーボディスト、ドラマーを集めないといけない。
わたしがやりたい曲はアニソンや難しい曲が多かったので、頼むのにも結構気を遣ったりもした。
バンドを組まないとライブに出られないし、枠も限られているので、サッサと組んでサッサとノートに書かないといけない。
わたしのなかでは、毎回胃の痛い戦争をしているような気持ちだった。
それが、学年が上がるにつれて組む相手も固定されてきたこともあり、だんだんどうでも良くなってきて、好きな人としかつるまなくなったのだ。
それがねぇ…めっちゃ心地よかったのよ。
結果として、なんかてきとーにしているほうが好感度が上がるということが起こった。
無理してるのってバレるのです。
「親友がいないんだよね」と何人かからポロリとこぼされるたびに、わたしは内心複雑になるけれど、それって要はこちらも腹の中を見せていないから親友になれないんじゃないだろうか。
嫌われるのが怖いから、良いところばかり見せようと必死になって、嫌なことは隠して、相手の欲しい言葉を探して……
ちがう。友だちって別に、自分のニーズに応えてくれる人じゃない。応えてほしいとも思わない。一緒にいてラクとか、楽しいとか、考え方が好きだとか、そういう人だ。
嫌われたくない姿勢のままでいたら、それは友だちではなくて「なんかちょうどいい人」になる気がする。いい感じに気持ちよく話を聞いてくれる人。暇なとき誘える人。それって仲良いんか?
仮に自分の腹の中を見せて離れていくようなら、そもそも根本的に合わないんだと思うし、合わないなら一緒にいないほうがお互いのためだと思う。
これが仮に恋人なら「価値観が合わないわぁ」とサッサと別れられるのに、なかなか別れられないのが友だちのむずかしいところである。
まぁ別れなくても疎遠になるぐらいで良いんじゃないかな。
この世に人はたくさんいるし、過ごした年月が仲良しレベルとイコールになるかといったらそうでもない。
わたしが今いちばん良く会っているのは、その小学校の友だちと、大学時代の友だちと、社会人の友だちで、それぞれ話す内容は違うけれど別の楽しみもあるし、大人になってからでも全然仲良くなれると思う。
だから、友だちいないなーって悩んでいる人、もちろん友だちのいない人生でもいろんな楽しみはあるとは思うけど、もし仲の良い人がほしいと思うのなら、変に取り繕わずに話してみるといいんじゃないかと思う。
好かれようとしなくていいと思います!
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