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あなたの意見は全部正しいし全部間違ってる。
本当にわかりあえない人がいる。
世間一般的に常識だと思われているものすべてに歯向かう人がいる。
10人中10人が頷くような言葉に首を振る人がいる。
そんな場面にぶち当たるとき、どうして伝わらないんだろうとひどく悩んだ。
こっちのほうが明らかに正しいのに、どうして真逆のことを正と言うんだろう、と。
今も、タイムラインを見れば、そんな意見ばっかりだ。
「あなたの考えは根本的に間違っています」
「その意見は正論ではありません」
「そんな行為はおかしいです」
でも、一概にそうなんだろうか。
間違ってるとか正しいとかって誰が決めるんだろうか。
例えば、ものすごく面白くて売れている漫画があったとしても、きっと誰かにとってはつまらないゴミのような漫画かもしれない。
例えば、わたしが死ぬほど大嫌いなパクチーだって、誰かにとっては大好物かもしれない。
例えば、一般的には死ぬことは辛いことだが、誰かにとってはそれが救いかもしれない。
わたしは、人間は根本的にはわかりあえない生き物だと思っている。
なんとかこう、生き物として都合よく生きていくために一定の協調性と同調圧力を持ってして暮らしているけど、誰かにとって正しいことは、誰かにとっては大きな間違いでもある。
そうすると、本当は正しいも、間違いも、存在しないんだと思う。
でも、どうしても人は自分の気持ちしか手に取るようにわからないから、自分が正しいんだと思い込んでしまう。
ちょっと意見が食い違えば、あいつは間違ってるよ、なんで気付かないのかな、なんてなる。
でも本当は、意見が合うほうが奇跡なのだ。
正しさも過ちも、決めるのは自分。或いは法。
でも本当は、そんなものない。
みんな正しいし、みんな間違っているのだ。
全人類を受け入れろなんて言わないけど、ほんの少し、ほんの少しだけ、そうやって考えることができたなら、もう少し人も世界も優しくなるのかもしれない。
わかりあえなくて、あたりまえ。
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