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みんなといるのが「リア充」な時代はもう終わった
「アニメと漫画の話がしたい」と仲の良いヲタク同士でZoomをやっていたら4時間が経過していた。恐ろしい。
日常生活のなかで会話ってしているようであまりしていないんだと実感する。
それはさておき、友人が「けいおんを観ていて気付いたことがある」と言った。
彼によれば、「けいおん」は女子版の「スラムダンク」で、「こんな部活いいな〜」という憧れが詰まっている作品だという。ただし、スラムダンクから「気合い」「頑張る」「高みを目指せ」といった体育会系要素を除いたものというか。時代に合わせてきているのだと思う。
そういえば、先日わたしは友人に「ゆるキャン」というアニメをすすめられたのだが、これもまた時代にマッチしていると感じた。
もともと自分は「日常系アニメ」があまり好きではない。驚くような展開があるわけでもなく、淡々と、ほのぼのと続いていくようなアニメ、という印象だった。
「ゆるキャン」の場合もそうで、特に大きな事件がなく、作業しながらのほほんと観れるようなアニメなのだが、驚くべきはその「個人の尊重され具合」である。
アウトドアを楽しむ部活があり、メンバーは3人いるのだが、このメンバー以外にも個人でキャンプを楽しむソロキャンパーと、キャンプはたまになら行ってもいいかな〜という帰宅部の子と、「ドライブが好きだから」とキャンプ場まで送ってくれるお姉ちゃんと、「酒が飲めるなら行く」という部活の顧問がいる。
通常なら、「みんなで楽しもうよ、キャンプ!」とソロキャンパーや同級生を部活に引き込んでいきそうなものの(ほら涼宮ハルヒとかそんな感じやん?)、ソロキャンパーは「私はいいやー」と普通に断る。しかも断っても、「そっかー、わかった!」と普通に受け入れられる。
こんな世界があるなんて…(驚愕)
女子だらけアニメ特有の「みんな一緒に!」がない。「ラブライブ」なんかは、「ひとりでも欠けてたら意味ないよ!」って感じだったけど、たぶんゆるキャンだと「そっかー、また今度ね!」になりそうなぐらい、何も強要されず、各々の意思がきちんと尊重される世界なのだ。
「ドライブが好き」というお姉ちゃんも、主人公を遠い毎回キャンプ場へと送り届け、クラスメイトから「お姉ちゃん、優しいね」と言われたりするのだが、「お姉ちゃん、ドライブ好きなんだよねー」と主人公が返しておわる。
そしてお姉ちゃんは主人公を無事に送り届けると、ちょっと近くのカフェで一服して、キャンプをせずに帰る。うーん、なんというフリーダムさ。
お酒好きな顧問の先生も、キャンプについてはいくが、ひたすらひとりで好きなお酒を飲みまくって泥酔している。
やりたい人だけ料理をして、それぞれお揃いでも何でもない好きな寝袋に入って。
あと、主人公なのに、主人公が風邪をひいてキャンプに行かない回もある。しかし、キャンプに行かなくても、それはそれで主人公は自宅にておいしいものを食べ、充実した1日を過ごす。
うーん、確かにここまで個人の意思が尊重されているアニメって他になかったかもしれない。
ソロキャンパーがひとりで原付に乗ってキャンプ場まで行き、ひとりでテントを設営して、ひとりで食事をするシーンがあるのだが、全然悲壮感が漂ってなく、とても充実していて、観ていてすごく心地いい。
とてつもない幸福感で満たされているのだ。
焚き火のもとでマイチェアーに腰掛け、本を黙々と読むソロキャンパーはどこからどう見ても「リア充」だった。
ひとりでいることを、途中で離脱することを、たまには休むことを肯定するアニメ、「ゆるキャン」。マイペースに自分らしく生きることこそが真のリア充なのだと、思い出させてくれるアニメだった。
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