「◯分あればできる」を見積もれないADHDが締切を守るために頑張っていること
ライターの癖に、締め切りを守るのが苦手である。
それは「なんか知らんけど時間に間に合わない」という遅刻癖においても重々把握しているのだけど、作業時間の見積もりの甘さにも出ている。
たとえば、原稿を1時間ぐらいで仕上げられると思っていたけど、実際には4時間かかったとか。
どの工数にどのくらいの時間がかかるのかを見誤るので、わたしが「この電車の乗り換えは3分でできる!!」と自信満々に見積もったところを「絶対無理だから余裕持とう」と友だちに修正されることがしばしばである。
そんなわけだから、大体のことは締め切りギリギリまで着手しない。それは心のなかで「自分は本気出せばいける」と思っちゃっているからである。しかも、実際に成功体験を積んでいる。「間に合ったことあるし!!!」という。
実際に取材原稿も1時間で書き上げたことがあるので、それが自信になってめちゃめちゃ甘く見積もっている。
その結果、締め切りが全然守れない。
しかし、ライターとしては締め切りを守らなくてはいけないので、いつも本当にギリギリのなかで原稿を書き上げている。「次の日の朝、編集者が出勤するまではイケる!!」と踏んで朝までねばったり、超絶スーパー火事場の馬鹿力を使ってハイスピードで仕上げたりと、数々の修羅場を潜り抜けてきた。(※全部自分のせいです)
とはいえ、普通に全然締め切りを守れないこともたくさんある。書籍執筆なんかはその最たるもので、取材記事と違ってどれだけ時間がかかるのか未知数のため、より作業時間が見積もりからズレまくる。あまりに守れなすぎて出版を1ヶ月遅らせてもらった。
そんなわたしがしっかり締め切りを守れる条件がある。まず、締め切りがめっちゃタイトなもの。
「今日のイベントのレポートを今日中に出したい」と言われると俄然燃えてくる。最初からイベントの後にレポートを書く時間もくっつけて時間を確保するし、何より1日で出したら絶対に褒めてもらえるし、イベントの興奮冷めやらぬうちに読んでもらえる確約がある。
そんな確約された報酬でドーパミンがドバドバ出てありえん集中力を発揮するので作業時間の見積もりが甘かろうが締め切りを守れるのだ。
調べてみると、ADHDは報酬系機能に特徴があり、すぐに得られるメリットには目が向きやすいが、長期的なメリットには目が向かない=モチベーションを長時間維持するのが難しいそうだ。
その点、すぐに報酬がもらえる!というような仕事は比較的やりやすいのだと思う。現に、わたしが毎日note更新できているのも、すぐに出せてすぐにリアクションがもらえるからだ。
ライティングの仕事も、比較的すぐに書けて、すぐに記事公開となり、リアクションがもらえる、報酬がすぐにもらえる仕事なのだと思う。
だから、たとえば取材から公開まで2ヶ月!となるとダラーッとしてしまう。先が見えない。まだいっか、と。
次に、締め切りが細かく設定されているものも比較的守れる。
たとえば、「1週間以内」と言われて、言われた瞬間は「来週の月曜日まで」というのはわかるのだが、日が経つにつれて実際にいつまでやればいいのかわからなくなってしまう。
気付いたら8日ぐらい経っていて、「そろそろ1週間ですが…」と言われて「えっ!もう1週間なの⁉︎」と我に返る。こういうところも時間感覚が鈍い。
最近ではやっと「1週間以内」と言われたら、「つまり◯月◯日のことか…」と脳内変換してカレンダーに入れられるようになったが、未だに1週間の感覚は掴めていない。
さらに、何時までにやればいいのかわからないので、ギリギリまで先延ばす!!!
調べてみると、やっぱりADHDは「もう少し」「多めに」「適当に」などの曖昧な表現の解釈が苦手な傾向があるそう。「1週間以内に」というのは明確っちゃ明確なのかもしれないけど、私にとってはまだ曖昧の範囲なのである。
こうしたことを避けるためには、「◯月◯日23:59まで」と分刻みで相手に締切を設定してもらうか、ざっくり言われたときにきちんと自分で時間を設定しなおして、Googleカレンダーに入れておくといい。バチっと明確な目標が決まれば突っ走れるタイプだと思うので。
最後は、相手から早めの締切を伝えてもらうパターン。
わたしはよく、「締切を守るのが苦手なので、めっちゃ巻きで設定してください…」と言う。いわゆるバッファを設けてもらうというやつだ。
当の本人はガチの締切なぞ知らんので、その締切に合わせて頑張って提出する。そうすると、最終的にうまく帳尻が合うのである。
このように、ADHDの特性を理解して考えてみると、意外と対策は取れたりする。もちろん、60%ぐらいはうまくいかないこともあるけれど、「守れねぇ」と打ちひしがれるのではなく、トライ&エラーでマシにはしていけると信じている。というか頑張って初めてちょい遅れぐらいになるぐらいなので、まわりにもうまく頼りつつ、やっていくぜ。
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