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“You deserve.”と言える人になりたい

You deserve. ってなんじゃらほい、という感じだけど、うーん和訳するのはちょっとむずかしいけど、たぶん

「あなたはふさわしい」

という意味なんだと思う。

それを口癖のように言う人がいた。

ごはんを食べて、フツーに奢ってくれようとするから、いいよいいよと遠慮をすれば、You deserve.

荷物をススっと持ってくれて、大したものじゃないし、全然自分で持つよ、と言えば、You deserve.

あまりに言われすぎて、未だに覚えているくらいだ。

最初は、言葉の意味さえわからなくてググったりしていたのに。

でも、最終的にこれは、わたしの核のようなものになってしまった。

この人のために、何かをしてあげたい、という気持ちに特に理由はない。

喜んでくれたらうれしいし、それを心からしたいからしている。それを受けるべき価値が、あなたにはある。

そんな感じ。

それを、今は「ギブ」というらしい。

ギブアンドテイクのギブ。テイクをする代わりに、ギブをしっぱなしにする、というのが昨今のトレンドである。

でもわたしは、なんとなくこのギブという言葉が好きではない。


なぜなら、ギブはギブと口に出した瞬間、ギブじゃなくなるからである。

勝手にやっているだけ。見返りなんて求めない。ギブとすら思わない。だからギブなのである。

それを、明確化した時点でギブはおわりだ。

ギブしない、ギブしてくれた、そういった物差しで測り始める。

だったらわたしはまだ、You deserve. がいい。

あげる。でも与える。でもなく、ただ、

あなたがふさわしいから。

だからやっている。そこに理由はない。それのほうが、自然じゃないか。

ギブができる人になれ、という。

でもわたしは、You deserve.と言える人になりたい。

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