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文章は「知るかボケ」前提で書こう

今日は、文章を書くうえでとても大切だけど、とても忘れがちなことについて話します。

私は数学が昔から苦手で、中学で習う「因数分解」に見事に躓き、泣く泣く父に教えてもらったことがあります。

しかし、うちの父は数字に強すぎたあまり、「こんなの誰でもわかるでしょ!」というのが言葉の端々に滲んでおり、私は自分がバカにされたみたいで悔しくなって、途中で教わることを放棄しました(逃げた)。

それ以来、自分のなかで心に決めていることがあります。

それは、「相手は自分が思っている以上に何も知らない」という前提を忘れないことです。

私もライティングを教えるとき、「こんなのちょちょいのパッだよ〜」と内心思いつつも、初心を忘れないようにしています。

文章は、どこで誰のもとに届いて読まれるかわかりません。だからこそ、できるだけ読者に「?(はてな)」を抱かせないことが重要になってきます。

具体的には、下記を注意しています。

・専門用語は使わない(特に横文字)
・固有名詞には必ず説明を入れる

専門用語と言うのは、たとえば広告業界における「コンバージョン」「アジェンダ」「ピボット」みたいなビジネス用語。

会社のなかでは通じても、別の界隈の人には通じませんよね。そういった専門用語を無意識に使っていないか、チェックしながら書いています。

次に重要なのが固有名詞の説明。

たとえば、わたしは2年ほど『朝渋』という朝活コミュニティに入っているのですが、noteでその話を出すときは、何度登場させようが絶対に説明を省かないようにしています。

"この前『朝渋』でこんなことがあった。"

と省略するのではなく、

”私は『朝渋』という朝活コミュニティに所属しているのだが、この前そのイベントでこんなことがあった。”

というところまで書きます。

私にとっては『朝渋』はコミュニティとして有名で、毎日の生活に溶け込んでいるものであり、「『朝渋』のことも、私が『朝渋』に所属しているのもみんな周知の事実」と錯覚しそうになります。

でも実際に蓋を開けてみると、たまたまSNSでフォローしている自分のまわりの人間に周知されているだけであって、知らない人がほとんどだと思います。

そんな人が、"この前『朝渋』でこんなことがあった。"という文章を見たところで、「なんだそりゃ?」となるでしょう。

読者は何も知りません。

「私ってこんな感じじゃん?」とか言われても、「知るかボケ」なわけです。

普通に生活していると、まわりの人には当たり前のように話が通じるので、こういった「前提」をどんどん忘れていきます。

もちろん、「朝渋に所属している人だけに読んでほしいんじゃ!」「広告業界の人に物申したいんじゃ!」と特定の人に狭く届けたいのであれば、わざわざ説明する必要はありません。

むしろ、そうやって読者を絞る目的なのであれば全然使って良いと思います。

でも、もっと広く届けたいのなら、「わざわざ言わなくてもわかるだろう」という思い込みから抜け出すこと。

そんな、ちょっとした「親切」が読まれる記事をつくるのです。



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